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落語家・蝶花楼桃花の捨てられない本。『ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方』

何年も手放すことができない、何冊も買ってしまうような、落語家・蝶花楼桃花にとって大切な一冊。本について語る時、そこには人生の歩みと、本が紡ぐ新たな物語が刻まれている。

photo: Satoko Imazu / text: Nozomi Hasegawa / edit: Chisa Nishinoiri

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辛い局面こそ、ゲームであると教えてくれた

数年前、ジェーン・スーさんのラジオで知ってすぐ買いに行った本です。1977年にアメリカで書かれた原著を再構成したもので、男性社会で生きる女性の処世術をあけすけに教えてくれています。

私が手にした頃から世の中も変わってきてはいますが、現代の日本に通じることばかりで驚きました。この本にはたくさん助けてもらいましたね。過去には「女は落語をやるな」「女に落語はムリ」と言われたこともあって。悔しい思いもしましたが、これを読んでから、世の中をゲームと捉えてかわせるようになったんです。

今は心の拠(よ)りどころとしてそばに置いています。もっと早く出会いたかった……。もしできるなら、入門したての頃の自分に「大丈夫!」と、この本を渡してあげたいですね。

ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方 ベティ・L・ハラガン
「ビジネスとはゲームである」と定義し、女性が賢いプレーヤーとして目標に到達するまでの仕事のこなし方や人間関係の秘訣を教える。著/ベティ・L・ハラガン。光文社。

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