Cook

週末の酒がうまい、BRUTUSの聞くレシピ Vol.16「さばと新じゃがのローストにウイスキーあかしコリンズ」

最近、周りに料理上手な友達が増えてきた。どこの料理人から教わったのか、ちょっとしたひと手間で、ゲストを喜ばせたりして、なんだか羨ましい。自慢の一品をサラッと作れるスキルがあれば、週末の酒はもっとおいしくなるはずだ。気負わず簡単に作れる、とっておきのレシピを教えてくれるのは、料理家で〈and recipe〉主宰の山田英季さん。さて、今回のメニューは……。前回の「あんクリームチーズペーストとカルヴァドスオンザロック」も読む。

photo&text&recipe: Hidesue Yamada

連載一覧へ

ポッドキャストで作り方を聞く

暑い夏の夕暮れ時、アルコールを片手に料理を作る時間は贅沢なひととき。まずは今回のお酒〈あかし〉で作るウイスキーコリンズの準備から。

グラスにたっぷりと氷を入れ、ウイスキーとガムシロップを入れる。軽くステアした後に、レモンを搾り、ソーダを注いだら、イギリスが生んだカクテル、「ウイスキーコリンズ」の出来上がり。味は、普段のハイボールよりも飲みやすく、街の居酒屋とは違うバーの風格がある。

そこに合わせるのは、さばと新じゃがのロースト。

まずは、新じゃがを食べやすい大きさに切り、少量の水と一緒に耐熱ボウルに入れて、電子レンジで加熱する。

塩さばは、水気を拭き取って、表面の臭みをとり、皮目に切り込みを入れ、半分に切る。

次に、フライパンにオリーブオイルを大さじ1程度加え、潰したにんにくを入れて弱火でじっくりとオイルに香りを移し、塩さばの皮目を下にして入れ、ローズマリーを添えて、中火で3分焼く。

塩さばの上下を返して、オリーブオイルを大さじ1加えたら、塩をふった新じゃがを入れる。転がしながら、芋の表面にしっかりと焼き色が付くように4分ほど焼く。

最後に白ワインを加えて、1分ほど焼き、器に盛り付け、粒マスタードを添える。

食べてみると、さばの脂を吸った新じゃがに白ワインと粒マスタードの酸味が、ウイスキーコリンズのレモンの繋がっていくようなスムーズなペアリング。

2口目に感じるのは、カクテルに使ったシロップの甘みと新じゃが、さばの脂の甘みの繋がり。

素材やニュアンスは違えど、香りや、味覚の感じ方が似たものは相性がよいのである。

ぜひ、皆さんも初夏のおいしい体験を楽しんでみてください。

さばと新じゃがのローストにウイスキーあかしコリンズ

材料 2人分

・塩さば……………1枚
・新じゃが…………中2個(200g)
・にんにく…………1かけ
・オリーブオイル…大さじ2
・ローズマリー……1枝
・塩…………………小さじ1/4
・白ワイン…………大さじ2
・粒マスタード……適量

作り方

さばと新じゃがのロースト
(1)新じゃがを食べやすい大きさに切って、耐熱ボウルに入れ、分量外の水(大さじ2)を加え、ラップをして、600Wの電子レンジで8分加熱する。
(2)塩さばの水気を拭き取って、切り込みを入れ、2等分に切る。
フライパンにオリーブオイル(大さじ1)と潰したにんにくを加えて、弱火できつね色になるまで炒める。
(3)(2)にローズマリーと塩さばを皮目を下にして入れ、中火で3分焼く。
(4)塩さばの上下を返して、残りのオリーブオイル(大さじ1)を加え、水気を切って塩をふった新じゃがを入れ、4分ほど焼く。
*新じゃがは途中で、転がしながら焼く。
(5)最後に白ワインを加えて、1分ほど焼き、器に盛り付け、粒マスタードを添える。

ウイスキーあかしコリンズ
・ウイスキー 45㎖
・レモンジュース 20㎖
・ガムシロップ 10㎖ *グラニュー糖(小さじ1):水もしくは炭酸水(小さじ1)
・ソーダ 120㎖
・氷 適量
・レモンスライス 1枚

あかし
江戸時代初期から続く兵庫県明石市の日本酒の造り酒屋「江井ヶ嶋酒造」が、1961年から造り続けるウイスキー〈あかし〉。今回はオーク樽で3年以上貯蔵したモルトウイスキーを使用した「ホワイトオーク あかし700 スペシャルブレンド」。モルトの華やかな香りとグレーンウイスキーの複雑な味わいがバランスよく合わさった、スコッチタイプのブレンディッドウイスキー。1980円(江井ヶ嶋酒造)http://www.ei-sake.jp/index.html

連載一覧へ