西洋占星術におけるシーズンは「春分」「夏至」「秋分」「冬至」の4つ。2024年上半期の運気は、冬至と春分を軸に、まず12月22日(冬至)~3月19日を前半、3月20日(春分)~6月20日を後半として読み解きます。
2024年上半期全体の運気
オリーブの枝と鳩
「個々の生に意味と目的を与え、その人なりの生き方を肯定する。文化を「生のあり方」と定義すれば、生まれではなく育ちが、人種ではなく文化こそが人間の生き方を規定することになります。」
──奥野克巳『はじめての人類学』
「風の時代」が始まり、まだまだ世の中は混乱する過渡期にあります。2024年は、その荒波になお呑まれながらも、希望が見えてくるときです。時代を司る冥王星が2023年から2024年にかけて山羊座エリア(旧時代)と水瓶座エリア(新時代)を行き来しているため、この上半期もまさに「時代の境目」。
2024年1月21日には、冥王星は水瓶座に入り直します。2024年の上半期を見渡したとき、ハイライトとなってくるのは、太陽と冥王星がほぼ同じタイミングで水瓶座エリアに入る瞬間です。
2天体は天の高い位置で重なります。「権威の絶対視」の崩壊が進み、ともすると時代を象徴するような大きな事件や出来事が起きるかもしれません。この星図のインパクトは、太陽が移動したあとも強く続き、上半期を通して(実際には2024年9月まで)背景に控えています。
人間にとって、冥王星は「未知なるもの」との出合いを呼ぶ存在です。冥王星がカタルシスを運び、それによって世界は変容し、再生を遂げることができるのです。
そして水瓶座は「公正な社会を目指す改革者」。今まで見逃されてきた権力者の暴挙に対する批判の声がどんどん大きくなり、溢れていきます。社会改革への意識を持ち、政治にもコミットしていく人こそが理知的だと広く共有されていくでしょう。
また、5月に木星(成長・拡大)が双子座エリアに移動すると、「新しく誰かと出会う」ことで運命を開く人が増えるでしょう。誰でも気軽に参加できるサークル的な活動が、さまざまなジャンルで流行しそうです。
たとえばZINEを作る人や、週末バーテンダー的な趣味と副業の間のようなことをする人が増え、それぞれ小さなコミュニティを作っていきます。情報交換をしていく喜びが広がるでしょう。
ただし、激しい「情報戦」が繰り広げられることも予想されます。真偽不明のデータが溢れ、あらゆる印象操作が試みられるようになり、世の中が混乱するかもしれません。私たちが何を信じるのかによって、世界全体の運命が変わっていくことになるでしょう。
2024年上半期前半の運気
知性を愛する
冬至の星図では、「海外に関すること」や「高等教育の場」「宗教・哲学」を意味する場所で、太陽(その時期のメインテーマ)と水星(知性・言語)が重なります。そのため、知的であること、ロジカルであることが強く求められそうです。海外とのやりとりも増えるかもしれません。外交問題が持ち上がる可能性もあります。
また、太陽と水星のペアには、土星(試練・責任)と逆行中の木星(成長・拡大)が調和的に繋がっています。
実学重視の教育施策が振り返られ、人文科学などの価値が見直されるかもしれません。「知」に触れることで視界が開ける思いをする人も多いでしょう。自分の可能性を広げるために海外に出ていく人も増えるかもしれません。
また、土星が魚座エリアを運行しています。魚座の“目に見えないもの”という象意と土星の“責任をとる”という力が融合します。これは、「目に見えない不条理が正される」といった作用も生み出しそうです。
魚座のエッセンスは「混沌の海と魂」であり、この世のありとあらゆる要素が最終的に集まる場所を示しています。そこに序列や分類はなく、ただ等しく存在そのものを受容する性格が魚座にはあります。そのため、この上半期には、世界そのものに対する信頼や愛、ヒューマニティがテーマとして表れるでしょう。
また、木星(成長・拡大)は2024年5月25日まで牡牛座エリアを運行しています。牡牛座の象意である「身体性に関わるもの」や「作物・食物」に対する意識が高まります。
さらに天王星(改革・刷新)も同じ牡牛座エリアを運行していることから、農業の改革や食糧問題において驚異的な進歩が起きるかもしれません。
2024年上半期後半の運気
新しい時代(光)を求めて
2024年の3月20日に太陽が牡羊座エリアを運行し始めると、西洋占星術での新年となります。このタイミングが「春分」でもあります。牡羊座は、生命力に溢れ、生きる喜びに燃えています。
そこに、「アイデンティティ」や「創造力」という象意を持つ太陽が入り、世界に明るい光が満ちていくようです。
春分ではまた、獅子座エリアの月(個人・生活)と水瓶座エリアの冥王星(運命)が、緊張感のあるコンタクトをとります。獅子座は自我を強く持つサインで、水瓶座は「社会」への意識が強いサイン。「パーソナルVSソーシャル」というこの2星座の対立軸に、月と冥王星の関係性が重なることになります。
「破壊と再生」を司る冥王星はまさに魔王のような存在。そこに、プライベートな部分を表す月が向かい合い、その圧倒的なパワーに押し流されてしまいそうです。
それにより、個人の生活が大きな時代の動きに揺さぶられるようなことが起きるかもしれません。自分という個の存在を、「人類」という広い括りと重ねて考えることも増えるでしょう。
しかし、この月獅子座と冥王星水瓶座との緊張関係を、牡羊座エリアにいる太陽が取りなします。苦境にあってもなお、生きることや人類の希望を見出していけます。
この時期は、「人間のエゴ」との付き合い方を学び、自分そして人類全体が積み重ねてきた歴史に向き合っていくことが課題となるでしょう。
また、5月に木星(成長・拡大)が双子座エリアに移動し、軽やかなコミュニケーションが広まっていくでしょう。フットワーク軽くあちこちに出かけることが幸運の鍵になりそうです。
牡羊座(3月21日~4月19日生まれ)
開拓者精神
全体を通して堅調。向上心が高まり、自分を鍛えたくなるかもしれません。意欲が外向きになる分、自己ケアがおろそかにならないよう注意を。
小さなきっかけから運命の扉が開けるかもしれません。
牡牛座(4月20日~5月20日生まれ)
波に乗れ!
波瀾万丈な6カ月。ジェットコースターのような展開があるかもしれません。武者修行によって自己研鑽し、変身できるシーズンです。運命の荒波に翻弄されてしまってもなおたくましく進みましょう。
双子座(5月21日~6月21日生まれ)
芽吹きの季節
2024年5月26日に、木星は「自分自身」である双子座エリアを運行し始めます。このタイミングから“発芽する”とイメージして準備を進めていきましょう。
ヒューマニティについても真剣に考えることになるでしょう。
“身体性”を題材に多彩な表現へ挑むninaが着る〈TOKYO DESIGN STUDIO New Balance〉
蟹座(6月22日~7月22日生まれ)
手を差し伸べる人
たくさんの人と積極的に出会っていける期間です。“秘密の共有”を通して癒やされもするでしょう。土星の影響で、指導者やメンター的存在になることを求められるかもしれません。
獅子座(7月23日~8月22日生まれ)
仕事の充実
大きな契約をつかみ、天の采配を感じるかもしれません。パートナーシップにまつわるドラマも起こりやすいでしょう。
2024年5月まで、木星(成長・拡大)が仕事運を大きく育てています。未来を考えて仕事に励んでいきましょう。
乙女座(8月23日~9月22日生まれ)
優しさ最優先
探求と冒険による成長が見守られているとき。俯瞰的に物事を見つめ、精神的に成熟することができそうです。冥王星の影響で、「実践的な愛」や「日常で必要なケア」を学ぶ機会が訪れるでしょう。
〈LE LABO〉から、京都でしか手に入らない待望の香りが誕生
天秤座(9月23日~10月23日生まれ)
理想は高く
他者のために尽くしつつも、自分の創造性を展開していく半年となりそうです。人間関係にもまれることで経験値を上げ、高く、遠く飛ぶことができそうです。5月が近づくと運気が勢いを増し、夢を叶える力も湧いてくるでしょう。
蠍座(10月24日~11月22日生まれ)
先手必勝
この時期は、時代に翻弄されてしまうかもしれません。また、人間関係でもドラマチックなことが起きやすくなっています。思い切って打って出るという姿勢の方が安全かもしれません。
射手座(11月23日~12月21日生まれ)
風よ吹け
黙々と手を動かして「実績」を積んでいく時間が増えそうです。太陽と木星が双子座エリアに入ると、急に世界が新しく動き始めるような感覚が生まれるかもしれません。土星(責任)からは「大人としての振る舞い」を求められることが増えるでしょう。
窓が生活を忘れさせないでいてくれる。編集者・haru.が語る窓
山羊座(12月22日~1月19日生まれ)
北極星を目印に
2024年上半期は、ずっと荒波の中を航海しているように感じられていたところに、一瞬海が凪いで、「見え始めた陸地」に向かっていけるシーズンです。過去のルールに縛られずに進むことが求められます。
水瓶座(1月20日~2月18日生まれ)
箱舟に乗って
木星の影響で、居場所や働き方、家族との関係が課題になっています。はっきりとした解決策が見つからずとも、創造的なアクションで苦しみを上書きできそうです。思いもよらぬ化学反応によって、活路を見出せるでしょう。
魚座(2月19日~3月20日生まれ)
リラックスの達人
土星という“少し厳しい指導員”のもと、自分らしさを見つけていける期間。特に2月~3月は魚座エリアにたくさんの天体が運行するため、直感が冴えそう。気負わずに自分自身の「在り方」を選んでいければ良いでしょう。
2024年“バーテンダー世界一”は誰だ?「WORLD CLASS」上海大会をスペシャルレポート!