中村軒(京都市/京都府)
愛宕山の伏流水で炊く餡を道明寺で包む
桂離宮の門前にて明治16(1883)年創業の老舗。菓子に使われる餡はすべて愛宕山の伏流水を汲み上げた地下水を使い、おくどさんと呼ばれる薪のかまどで炊き上げる。
一度はガス釜に替えたものの、これでは味が違うとおくどさんを作り直したエピソードからも餡への愛情が伝わってくる。
麦代餅に使われるのは、北海道産小豆を使ったコクのあるつぶあん。しそ餅に使われるのは小豆の皮を取り除いたあと、4回水を取り替えて晒すことで後味をさっぱり仕上げたこしあん。力強い餅や、道明寺が小豆の風味の際立つ餡を引き立てている。
じゃない方
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不定期に並ぶしそ餅は道明寺粉を使った餅菓子。生地を堪能するため量を控えめにしたあんと、甘酸っぱい塩漬けの赤シソの相性が絶妙。販売時期はHPで確認を。1個260円。
看板菓子
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滋賀産の最高級もち米をしっかりつき上げた粘り強い餅に、ふっくら炊き上げたつぶあん、きな粉。足すものも引くものもない完成形。麦と交換したことが名の由来。1個320円。