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揚げ餃子のお店〈您好〉〈菜来軒〉〈中華 宝来〉きつね色の衣に高まる食い気。アガる、揚げ餃子。〜前編〜

蒸してから揚げる、揚げ焼き、二度揚げ……。実は焼きや水餃子より時間と手間がかかり、それだけに奥が深い、“揚げ”の世界。店主が思いを込めて揚げた一皿をレコメンド。後編「揚げ餃子のお店〈鎮海楼〉〈歓迎〉〈ひさご亭〉〈太陽〉きつね色の衣に高まる食い気。アガる、揚げ餃子。〜後編〜」を見る。

photo: Koh Akazawa, Kazuharu Igarashi / text: Emi Suzuki

您好(幡ヶ谷)

2日間熟成させることで、
弾力と旨味が増す。

〈您好〉の「揚餃子」は完成するまでに3日を要する。1日目に小麦粉をこねて1晩寝かせ、2日目に麺棒でのして皮を作る。豚肩ロースの塊肉と、白菜やキャベツなどの野菜を粗みじん切りにして、よくかき混ぜた餡を詰め、ゆでてからさらに1晩寝かせる。そして3日目、注文が入ってから大豆白絞油で揚げる。熟成させることで素材の旨味が引き出されるだけでなく、皮と餡がよく馴染み独特のもっちり感を生み出す。

幡ヶ谷〈您好〉揚餃子

1人前9個 1,100円。(寸)6cm、(皮)薄、(ヒダ)8、(具)少。

菜来軒(錦糸町)

サクッと軽い皮と、
とろみのある餡がマッチ。

細長い厨房でパワフルに腕を振るうのは、76歳の福澤和子さん。口溶けが良く、食べ応えのある餃子を目指し、餡には豚挽き肉やニラなどの食材に加え、ゆでてから繊細にカットしたキャベツやナガイモ、全卵、背脂を入れ、大判の皮で包む。「揚げ餃子」は、揚げレバー、揚げ茄子と並ぶ「揚げの三兄弟」の一つで人気メニュー。絶妙な火入れでサックリと仕上げる。別皿で提供される、ラー油が効いた甘酢あんとも好相性。

錦糸町〈菜来軒〉揚餃子

1人前6個 600円。(寸)8cm、(皮)厚、(ヒダ)6、(具)多。

中華 宝来(中目黒)

二度揚げで、
餃子の輪郭をクッキリと。

両親が開いた店を継いだ3代目店主の篠田順子さんは、2人から教わった餃子の作り方を踏襲しているそう。「うちの餃子はキャベツ多め。シャキッとした歯応えを残すために、キャベツの下半分のみを餡に使います」。餡を皮にパンパンに詰め、低温と高温で二度揚げして、塩を振りかける。二度揚げによってサクサクの衣になり、嚙み締めると皮のもちもち感とニンニクが効いた餡のジューシー感が押し寄せる。

中目黒〈中華 宝来〉揚餃子

1人前6個 700円。(寸)8cm、(皮)普、(ヒダ)9、(具)多。