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信頼できる目利きがいる器の店。白金台〈雨晴/AMAHARE〉

旅の目的地になる、魅力的な器の店が増えている。BRUTUSが注目したのは信頼のおける目利きが営み、店頭に立つ現代器作家のギャラリー&ショップ。彼らは、今どんな80〜90年代生まれの新世代作家に注目しているのか?器のこと、作家のことを聞いてみよう。

photo: Yuko Okoso / text: Hisashi Ikai / edit: Ai Sakamoto

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条件をクリアした品格のある器

白金台のプラチナ通りの一角に位置する〈雨晴(あまはれ)〉。日々の食卓を美しく彩り、時に大切なもてなしの道具となる確かな手仕事を求め、日本各地の作家を紹介する。クオリティを保つため、「その土地の風土や文化から生まれたもの」「その人にしか創ることができないもの」「情緒があるもの」など、11の条件で選定し、常時30〜40名の作家ものをラインナップ。

器のほか、カトラリーや酒器、花器など、食卓周りのシーンを彩るアイテムも多数取り揃え、季節を感じるディスプレイとともに店内に置いている。

「洋の東西を問わず、器によってテーブルはもちろん、空間全体が彩られる。生活の様子を静かに変えていける作品を紹介したいと思っています」。そう話す主人の金子憲一さんが薦めるのは、兵庫県丹波篠山(ささやま)市で作陶をする安藤由香。

穏やかな陰影と品格を宿すその器は、彼女が以前住んでいた北欧や富山の氷見(ひみ)で日々眺めていた、静かにゆっくりと色を変えていく空を映しているようにも見える。凜とした佇まいを備えており、インテリアのオブジェとして置いたり、花を生けて飾っても映える、存在感たっぷりの作品だ。

東京〈雨晴/AMAHARE〉ディレクター・金子憲一
通りに大きく開放したエントランスからすぐ前に見える空間では、ほぼ月1のペースで企画展を行っている。

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