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根本宗子のあまい東京記:一番好きな銀座で、一番好きな名店へ

根本宗子が思い出のスイーツを綴る連載。前回の「一口運ぶと、心は新宿からドイツへ」を読む。

illustration: Michiko Furutani / edit: Emi Fukushima

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〈銀座凮月堂〉の「白餡とブルーチーズのテリーヌ」

根本宗子のあまい東京記:一番好きな銀座で、一番好きな名店へ

銀座を代表する老舗菓子店の、素材の風味を生かした大人向けチーズテリーヌ。洋酒香る自家製シロップとケシの実がアクセントに。大正ロマンあふれるパッケージも魅力。2,700円(TEL:03-3571-5000)

一番好きな銀座で、一番好きな名店へ

〈銀座凮月堂〉が好きだ。銀座自体が都内で一番好きな町だが、銀座の中でも一番に好きな店が〈銀座凮月堂〉だ。

ある日私はチーズケーキ好きの友人の舞台を見に行く際、何か目新しいチーズケーキを探していた。チーズケーキってハズレがなくだいたいどれもおいしいけれど、好きな人ならば有名どころはすでに食べたことがあるだろうし、手土産として面白みがないなぁと悩んでいた時、一昔前銀座で夜のバイトをしていた時によく利用していた〈銀座凮月堂〉を思い出した。

バイト先のお店のママが大好きで、よく一緒に〈銀座凮月堂〉のお菓子を食べた思い出があり、以来バイトがなくても立ち寄るようになった。久々に店内のアフタヌーンティーセットも食べたいなと思い調べたらなんとも変わったチーズケーキが売っていた!なんじゃこりゃ!と思って即買いに行き、食べてみたところコーヒーにも日本茶にもお酒にも合う最高のチーズケーキがそこにあった。

「これぞ贅沢」と唸りたくなる品の良い味と、手土産に嬉しいパッケージの虜(とりこ)になり、銀座を訪れるたびに買うようになった。〈銀座凮月堂〉にハズレなし。暑い夏は、冷たいハーブティーと食べるのも最高。

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