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根本宗子のあまい東京記:一口運ぶと、心は新宿からドイツへ

根本宗子が思い出のスイーツを綴る連載。前回の「昔も今も六本木で待つ、リング形の幸福」を読む。

illustration: Michiko Furutani / edit: Emi Fukushima

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〈サロン・ド・テ・ミュゼイマダミナコ〉の「黒い森」

〈サロン・ド・テ・ミュゼイマダミナコ〉の「黒い森」

洋菓子研究家・今田美奈子が主宰するティーサロン。「黒い森」はドイツ南西部、シュヴァルツヴァルト地方で生まれた伝統的なケーキ。ケーキセット1,760円(新宿髙島屋店[代表]TEL:03-5361-1111)

一口運ぶと、心は新宿からドイツへ

ドイツのケーキといえばチェリーの黒い森のケーキ。お酒があまり強くない私は、強めのシロップに漬かったチェリーがたくさん入っている黒い森のケーキがあまり得意ではなく、なんとなく苦手意識がありました。

しかし、コロナ禍真っただ中の2021年。久々に友人とアフタヌーンティーをしようということになり、現実逃避のために選んだ〈サロン・ド・テ・ミュゼ イマダミナコ〉で出会った黒い森のケーキを口に入れた瞬間その印象が変わりました。

とっても上品な甘さとアルコールの風味でとても食べやすくて、それでいてチェリーとチョコレートのスポンジの組み合わせが日本発祥のケーキとは明らかに違うドイツ感をガンガンに醸し出していて、なかなか海外旅行に行けないストレスを口の中から癒やしてくれました。

新宿の人混みに疲れた時に行くと、とんでもなくゆったりした時間が流れている店内もとても好き。隣の席との距離も離れているのでお互いの会話が聞こえない距離感なのもとても好きなポイント。

ちなみに私は高校生の時からケーキ作りが趣味なのですが、黒い森のケーキは大失敗した経験があり、外でしか食べないと決めてます。

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