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根本宗子のあまい東京記:銀座での“一人贅沢”は、風鈴のような梅デザートと

根本宗子が思い出のスイーツを綴る連載。前回の「たまに訪れた学芸大学駅は、老舗の安心感とともに」を読む。

illustration: Michiko Furutani / edit: Emi Fukushima

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第6回〈ざくろ〉の 「吉野紅梅」

根本宗〈ざくろ〉の 「吉野紅梅」

厳選された黒毛和牛のすきやきやしゃぶしゃぶが堪能できる日本料理の名店〈ざくろ〉のスイーツ。コース料理の中でセレクトできるほか、単品でのオーダーも可。770円(銀座店 TEL:03-3535-4421)。

銀座での"一人贅沢"は
風鈴のような梅デザートと

〈ざくろ〉が大好きだ。外食となれば洋食か和食の店に入りがちな私。一人で贅沢をしたい時、入るのが〈ざくろ〉だ。銀座もしくは赤坂の町の象徴(根本のみの見解)と言ってもいいくらい、銀座に行く=〈ざくろ〉で食事、くらい自分の中でセットになっている。もちろんいつでも入れるような価格帯ではないのだが、近年は夕食時でも定食のようなセットをやってくれていたり、一人贅沢の時とてもありがたい。

机も広くてパーテーションで席も区切られているので「こいつ一人なん?」の目を気にすることもなく気楽にいい食事ができるところも好きだ。中でもとにかく私の好物が「吉野紅梅」である。梅ゼリーや梅のお菓子はいろんなところで見かける。梅が好物な私は梅を使ったお菓子やデザートを発見すると積極的に食べる人生を送っているのだが、この吉野紅梅に勝る梅デザートに出会ったことがいまだにない。

まず器が美しい。暑い夏なんて吉野紅梅を見るだけで涼しい気分になれる、まるで風鈴のような効果がある。口に入れたらなお涼しい。食事で火照(ほて)った体を最後に冷やしてくれて最高である。〈ざくろ〉にどんな新しいデザートが追加されても私は浮気しない自信がある。

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