Eat

Eat

食べる

行列のできるドーナツ店〈I’m donut ?〉の秘密

2022年3月に中目黒に開業すると同時に、最長3時間待ちの行列ができたドーナツ店〈I’m donut ?〉。その2号店が同年5月に渋谷に開業、こちらも長蛇の列ができる盛況ぶりだ。なぜ人々は〈I’m donut ?〉に魅了されるのか?多様性に富んだ生地が生むおいしさに迫る。

photo: Shin−ichi Yokoyama / text: Koji Okano

連載一覧へ

開店時刻の午前11時の〈I’m donut ? 渋谷店〉には、中目黒店の約10種より多い約80種のドーナツが並ぶ。「店舗が広いぶん、商品数も増えました」と話すオーナーの平子良太シェフ。彼こそが行列のできるパン屋、福岡〈AMAM DACOTAN〉の仕掛け人。その新展開であるこの店にも、開店前から客が長い列を作る。

〈I’m donut ?〉オーナー・平子良太シェフ

客の多くが購入するのがシグネチャーの「I’m donut ?」。人気の理由は、口の中で溶けてなくなる⁉と錯覚するほどの滑らかな食感だ。「通常なら成形が困難になるほどの水分を含ませたブリオッシュ生地を揚げます。ローストしたカボチャをつなぎにし、ドーナツの形に着地させるんです」。トロけるような食感に加え、濃厚な卵のコクや砂糖の甘味、ふわっとした口当たりも評判だ。

ほかにも〈AMAM DACOTAN〉のバゲット生地を揚げた「フランス」や、新開発の「スパイシー」など。この店のさらなる魅力が、低温・長時間発酵させた生地が醸す多彩なフレーバーだ。次ページでは、9種の生地の特性と、そこから生まれる味わいのバリエーションを紹介する。

I’m donut ? 渋谷店
出来たての香りが漂う開店前の店内。9種の生地で作る約80種のドーナツが揃う。

連載一覧へ