点心爛漫(田原町)
羽根のカリカリ食感が楽しい。
ショウガも濃厚で和酒に合う餃子。
中華料理〈元祖 紙やきホルモサ〉のオーナー・花井茂さんが、週末と祝日限定で暖簾を掲げ、餃子を食べに来る常連客で賑わいを見せる。中国人の点心師が包む餃子をフライパンに並べたら、油と水溶き片栗粉を投入して低温でじっくり揚げるように焼く。羽根は相当なカリカリ食感。
餡にたっぷりと入ったショウガが肉の旨味を増幅して舌に届けてくれる。自家製の酢醤油にもショウガが効き、日本酒や焼酎を呼ぶ味。
おけ以(飯田橋)
強力粉の水溶きで煮るように。
独自の焼きが生んだ味の一体感。
「この餃子、もっとおいしくなるはず」。1954(昭和29)年創業のこの店を、常連客だった馬道仁さんが受け継いだのが17年前。白菜、ニラ、豚バラ肉にショウガが効く餡はそのままに、皮と焼き方を変えた。手延べの皮は強力粉のみを使用しモチモチ食感に。
鉄鍋にも強力粉の水溶きを浸し、煮るように焼く。ゴマ油と黒コショウ香る餡の風味が皮に染み込み、何もつけずとも美味。強力粉の羽根のカリカリ食感も楽しい。
高伸(中目黒)
幅広の皮で野菜の旨味をキャッチ。
肉の滋味もたっぷりの巨大餃子。
創業して39年、81歳の母・高木マツイさんが、息子さんたちと切り盛りする町中華。「昔から製麺所の幅広の皮を使っているから、餡もたくさん詰めてあげないと」。サービス精神旺盛ゆえ、店で手包みする餃子は大きく、皿からはみ出んばかり。
主役は手切りキャベツやニラなどの野菜で、ふわりと優しい口当たりが身上だ。脂の多い豚バラを使用して、ラードや鶏ガラスープの上澄み油も加えた餡は、肉の滋味も十分。