源来酒家(神保町)
店主の夜食から着想を得た、グラタン風味の翡翠餃子
〈ホテルニューオータニ大阪 大観苑〉での修業経験もあるオーナー傅登華さん。その経歴から、王道餃子が得意かと思いきや、彼の作る翡翠餃子(中央)は独特。
「僕はグラタンが大好き。好きすぎて、寝る前にも食べちゃうくらい」と言うだけあって、ホウレン草とクロレラを練り込んだ緑色の皮には、豚肉と白菜ベースの餡に、エビとチーズ、キムチが閉じ込められ、洋風な味わい。野菜たっぷり焼き餃子(右)とシソ入り餃子(左)はニンニクなし。野菜の甘味が滲む。
餃子荘ムロ(高田馬場)
シンプルな餡だから映える、エダムチーズの塩味とコク
1954(昭和29)年の創業以来、不変のレシピで作る餃子は、餡の半分が野菜。豚の脂と淡泊な白菜の甘味を生かしたシンプルな味つけだ。そこに塩味の力強さに惚れて選んだエダムチーズを入れて焼き上げるのがチーズ餃子。「辛子入り酢醤油につけて味が完成する餃子で、具全体がいいアクセントになるんです」と店主の岩室捷士さん。
セロリや長ネギの旨味もあふれ、複雑味あるコクを醸す。唐辛子、ニンニク、カレーのほか、スパイシーな台湾ソーセージ入りの餃子もあり。
手延べ餃子BAR WingVillage(中野)
コンポタを餡にしてしまう、打ち粉なしの小麦香る皮
「作るのがめんどい餃子です」。店主の加藤達也さんは笑いながら言う。生地は前日から仕込むが、大変なのが打ち粉なしの手延べ作業。手や麺棒に生地がくっついてなかなか延びないからだ。しかしこの手間で、皮が小麦の良い風味を醸す。
コーンポタージュやトマトソースなど特殊な餡を使えるのは、皮に自信があるからこそ。コンポタ餃子には焦がしバター醤油が付き、これが焦げた小麦の風味と合わされば、焼きトウモロコシに味変する。パイのようなサクサク食感も魅力。
餃子 SUNSU(代田橋)
大葉が芳しさを放つサバの餡。全粒粉の皮にスパイス香る
雑居ビル3階のレゲエが流れる店内。ニコニコ接客する店主・鈴木則行さんの餃子作りは実直だ。「安心できる味を届けたい」と、全粒粉の皮、餡はもちろん、4種のタレ、ラー油も手作り。豚肉も手で刻み、サバと大葉のスパイス餃子は、食感が残るように身をつぶして餡に練り込む。
大葉と10種のスパイスの香りが鼻を抜ければ恍惚の時。全粒粉の皮も香ばしい。シークワーサータレをつけると、爽やかな味わいに。サンマや栗の餃子など、新作餃子も期間限定で登場する。