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グルマン温故知新:押上〈酒と茶と 襤褸〉花街に新たな人を呼ぶ、凜として和める酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「古典志向のカウンター酒場」。古典酒場オマージュの繁盛店にルーツがある8席のみのカウンター酒場。。小皿つまみにクラシックへの敬意が感じられ、カウンターに立つ女将の接客が小気味いい。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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酒と茶と 襤褸(押上)

花街に新たな人を呼ぶ、凜として和める酒場

東京の東端、どの駅からも徒歩10分前後と近くはないが、古くから続く料亭や和菓子店が軒を連ねる通りに、花街が華やかなりし日の面影が。割烹のように凜としたしつらえだが、酒とつまみにくつろげる酒場が、ぴたりとハマる街並みだ。

主の松木恵美さんは、門前仲町〈酒肆一村〉出身。「ふらふら、好きに生きてきたので」と、「ぼろぬの」を意味する言葉を名に掲げるパンクっぷり。だが、京都・宇治の茶メーカーに6年、「志賀高原ビール」の醸造元、長野県〈玉村本店〉に4年勤めた堅実な経歴がある。

酒の推しは、煎茶に玉露と5種類のお茶ハイに「志賀高原ビール」ドラフトペールエールと、来し方がにじむ品揃えだ。つまみも20種以上。ポテサラや鶏の唐揚げなどの定番を軸に、野菜や魚で季節感を添えるのは〈一村〉へのオマージュだ。自身も酒好き、大衆酒場好きという松木さん。

飲ん兵衛の心を掴む接客も自然体。“次代の古典”の有力株!

押上〈酒と茶と 襤褸〉主の松木恵美さん
きりりとした和装が似合う松木さん。酒場にも詳しい。
押上〈酒と茶と 襤褸〉の店内
8席には広々とした空間に、舞台のようなカウンターが映える。

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