pasloin（東銀座）
つまみはレストラン級、立ち飲みワインバー
店名はフランス語で「遠くない」の意味。スタッフとゲストの間も、ゲスト同士の距離も近い、小さな店。連夜満席の本店〈ビストロ シンバ〉までも、一本道で徒歩5分と、遠くない。
「田舎風お肉のパテ」豚肩ロースがベース。肉の切り方、挽き方と焼きで、香ばしくしっとりとした香り、食感と、満足感ある噛み応えを叶えた、レストランメイドのパテ。付け合わせのピクルスの、野菜のフレッシュ感や酸味の効かせ方もさすがで、一皿でワインががんがん進む。1,200円。バゲット（100円）とともに。 
「ホタテとエスカルゴバターのタルティーヌ」エスカルゴバターでソテーしたホタテを、タルティーヌに。バゲットにもニンニクバターを塗って、カリッとジュワッと焼き上げる。レモン汁とエシャロットの爽やかな酸味と香味がよきアクセント。500円。 
「シンバ特製ブイヤベースのリゾット」とびきりの魚のアラで作るブイヤベースは〈シンバ〉の名物だが、その活用形で禁断の裏メニューのリゾットを〆の定番に。追いエビだしでコクと香りを加え、食感はアルデンテに。〆にもつまみにも。1,800円。
オーナーの菊地佑自シェフが、〈シンバ〉を開いた2015年から構想していた2号店。食事のウェイティングやディジェスティフにも使え、一杯だけでも寄れる立ち飲みワインバーだ。本店で仕込み、注文後に仕上げるつまみは、シャルキュトリーなどビストロの定番が中心。付け合わせのピクルスの酸味や、アツアツの一品に効かせるエシャロットの香味など、シンプルなのにはっとする味に〈シンバ〉イズムが貫かれている。
店長は、菊地シェフの右腕として6年活躍してきたサービスの高山南美さん。スマートかつ快活な高山さんの仕事っぷりが、店の軽快なリズムを作っている。ワイナリーのカーヴを模した珪藻土の空間と、窓から望む首都高の景色のギャップも東京らしい。
