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グルマン温故知新:麻布十番〈真皿〉胃袋が歓喜する、あっさり引き算の味わい

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「おいしい、優しい中国料理」。スタミナ&ボリューム満点、ワシワシかっ込む町中華もいいけど、たまにはちゃんとした中華料理が食べたい。それも、しつこくなくてサラリとおなかに収まって、翌日に響かないのがいい。そんなわがままに応えてくれる店、できてます。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Noriko Watanabe

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真皿(麻布十番)

胃袋が歓喜する、あっさり引き算の味わい

真皿と書いて「まっさら」と読む。店名からして気持ちがいい。インターホンの201をピンポンと押して中に入るという、外からはまったく想像できない何やらワクワクする隠れ家的展開。店内は中華料理店というイメージゼロ。静かでエレガントな大人の空間が広がる。

六本木の名店〈華都飯店(シャトーハンテン)〉で長年サービスを務めていた藤田朋希・静恵夫妻が、辣腕シェフを擁して開いた店だ。ラード&化学調味料不使用。何を食べてもよさそうな雰囲気が漂う。

昼、夜とも、お得なコースが2種類用意されている。大阪出身の店主らしく「大阪価格」。ドンズバ「浪花コース」7,700円なんてのも。補足するようなアラカルトもあり。昼は麺や飯だけも可能だ。器は古い和食器。料理が映える印判や染付が多いが、店主が仙台の知り合いの骨董店まで買い付けに行って求めたものだ。シックな店内によく馴染む。いい店見つけちゃったと、嬉しくなる店である。

麻布十番〈真皿〉シェフの内藤信明さん
ベテランシェフの内藤信明さん。オープンキッチンなのに静か。
麻布十番〈真皿〉店内
ゆったりしたカウンターで一人ランチもよさげ。バーとしても。

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