うどん萬田次郎(新宿御苑前)
四季の味で勝負する豊前うどんのニューカマー。
福岡・北九州市小倉南区津田の名店〈津田屋官兵衛〉のうどんに魅了された無類の麺好きたちが、切磋琢磨しながら独特の製法を追求する流派〈豊前裏打会〉。その系譜を継ぐ福岡・薬院の〈萬田うどん〉が、2店目=次郎と位置づけるのがこちら。
流派の教えにならい、丹念に練り込んでから小玉にして高温低温の熟成を繰り返し、空気を抜く「脱気」も念入りに。さらに打ちたて、切りたて、ゆでたてで提供する麺は半透明でコシが強く、ツルツルシコシコ食感と出色の出来映え。だしは味と香りを損なわぬよう、直前に追いカツオをする念の入れようだ。
肉やごぼう天等をトッピングした温うどんや冷たいぶっかけが定番だが、「うどんのだしは季節の食材と相性がいい」と、夏はトウモロコシのかき揚げという具合に、旬の食材を生かした四季のメニューも登場する。
提供を待つ間、通好みのアテで酒を一杯。そんな蕎麦前ならぬ「うどん前」も楽しみだ。