焼きそば専門天 赤坂店（赤坂）
店主の腕前とセンスが光る完全無欠の焼きそば
まず見た目からしてオーラがある。エッジが立った細麺に、ムラなくまとわせたソース。そこに紅ショウガの赤と九条ネギの緑のコントラスト。鉄板から立ち上る香ばしい匂いと湯気。口に運んだ瞬間、旨いとわかる。
「味わってからでないとわからん言わはる人もおるけど、B級グルメやからすぐ旨いでええ思います」と店主の物河義一さん。
「ソース焼きそば 豚」一番人気のスペシャリテ（写真は細麺）。愛知県産のキャベツと豚肉以外はすべて京都産にこだわる。生卵or目玉焼100円に牛すじor牛ホルモン300円とトッピングも楽しめる。どろソースをベースにしたスパイシーな辛口ソースで味変してから、すき焼きのように溶いた卵につけて味わうのもおすすめだ。850円。 
「塩焼きそば 豚」「僕からしたら十分太いけど、東京の太麺はもっと太い」と物河さん。細麺と違いこちらはもっちりとした食感を目指したそう。キャベツは麺に絡むよう細めにカット。ブレンドした塩ダレでほんのり中華風の味わい。850円。 
「下足キムチ」歯応えが良く旨味のあるスルメイカの下足と大阪・鶴橋で物河さん自ら探し歩いたキムチの最強コンビネーション。「炒めに適している」と、あえて熟成が進んだ古漬けを使用。酒が恐ろしく進みそうな一品。500円。
今から15年前に京都・二条高倉に〈鉄板焼・お好み焼 仁〉を開業。その後、評判が良かった焼きそばの専門店を2年前にオープンし、このほど東京・赤坂へ。
自慢は「細くてもコシがある」自家製麺で、粉を独自配合した低加水麺はソースが絡みやすく小麦粉の味もより感じられる仕上がり。さっと湯に通してほぐしてからカツオだしを少量加え、強火で一気に仕上げるのが旨さの秘訣。
京都の地ソースを5種類ブレンドしたというその味は、複雑さと深みがあってフルーティ。美食の都が認める麺の実力は、推して知るべし。
