龍昇亭 西むら(浅草)
丹念な手仕事を継承し、作り出される味
お茶屋から始まり、安政元(1854)年に上菓子店として創業。広重の浮世絵にも描かれている老舗だ。5代目店主の西村淳さんによると、菓子は「機械ではなく道具を使って、一つ一つ手作り」。一年を通して販売する栗むし羊かんは、この店の看板商品だ。
小麦粉や本葛粉、北海道十勝産の小豆あんを練った羊羹に、蜜栗を加えて蒸し上げる。対して、桃山金龍は職人による手作りの焼き型を使い焼き上げた桃山生地の中に、甘さ控えめのこしあんを閉じ込める。鯛のほか、雷門を象ったものもあり、浅草みやげとしても人気を集める。
じゃない方
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生地の甘さがしっかりしている分、餡はさっぱりめに。デザインや大きさを選べる焼き型のオーダーメイドにも応じる。家族のお祝い事などで利用する客も多い。小1個330円。
看板菓子
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その日の気温や湿度に合わせて練り具合を調整するという繊細な技術が施される。蜜栗とのバランスを考えて、甘さを抑えた羊羹はあっさりとした味わい。1棹1,080円。