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スタイリスト・井伊百合子の捨てられない本。『山のABC』

何年も手放すことができない、何冊も買ってしまうような、スタイリスト・井伊百合子さんにとって大切な一冊。本について語る時、そこには人生の歩みと、本が紡ぐ新たな物語が刻まれている。

photo: Satoko Imazu / text: Nozomi Hasegawa / text&edit: Chisa Nishinoiri

山のおかげで辿り着いた、新たな読書の世界

『山のABC』は山登りへ連れていってくれた友人が贈ってくれた本です。AからZの順で山にまつわるエッセイや写真、絵などが掲載された辞典のようでもあり、雑誌のようでもあり。哲学者で作家の串田孫一さんらの編集です。

自分だけでは辿り着くことのできなかった新たな読書の世界の扉を開いてくれました。「山」を懸け橋に美しく楽しい詩や絵が集まることに感動したし、串田さんのほかの著書にもつながりそれが私の教科書になってもいます。

登ったことのある山が出てきたら自分の感じたことと照らし合わせたり、次の山へのヒントをもらったり。デザインや構成も枠にとらわれない自由さがあり嫉妬さえします。街での時間も豊かにしてくれるこの本とはずっと付き合っていきたいです。

『山のABC』創文社
山に関する事柄をAからZのアルファベット順に写真や絵、言葉などで綴る。1・2・3の全3巻。編集/尾崎喜八、深田久彌、串田孫一、畦地梅太郎、内田耕作。創文社。