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ラグジュアリー空間で華やかな一杯を。東京の外資系ホテルのバー4選

ここ数年で東京にオープンした、クリエイティブなカクテルが楽しめる新鋭バーの中から、「ホテル」をキーワードに4軒をセレクト。外資系ホテルのラグジュアリーな空間で華やかな一杯を堪能しよう。

初出:BRUTUS No.986「いまこそ、カクテル。」(2023年6月1日発売)

photo: Eisuke Asaoka / text: Mari Kojima

Gold Bar at EDITION(虎ノ門)

カクテル黄金期のバーを、現代風にアップデート

黒とゴールドの配色が際立つ、シックで豪奢なフロア。アメリカのカクテル黄金期“ゴールデンエイジ”がコンセプトのここでは、「Two Faces(二面性)」をテーマにしたメニューが提供されている(2023年6月時点)。世の中にある物事の“両面”を、16種のカクテルで表現する試みだ。バーテンダーの岩出佳祐さんいわく、「光と影、美しさと醜さなどを対比で表しています」。

自然界をテーマにしたカクテル「枯れたブルックリン」は、みりんやライウイスキー等で“枯れ木”を、一方で「奇妙な果樹園」はアップルブランデーやグラッパ、柑橘で“瑞々しい果実”を演出。メニュー表をブラックライトで照らすと、対になる一杯のイラストが現れるという仕掛けも驚き。

虎ノ門〈Gold Bar at EDITION〉店内
ソファが備えられた、広々としたテーブル席は81席。金曜・土曜の21時30分からはDJが入る。

VIRTÙ(大手町)

フランスの感性薫る、“美徳”のミクソロジー

壁の装飾や照明など、アールデコ調の直線的なデザインがちりばめられた空間。フランスのヴィンテージスピリッツや稀少なコニャックなどに、日本の素材や技法を取り入れたドリンクを用意。さらにパリと日本の融合をコンセプトに、“7つのvertu(=美徳)”を表現したカクテルを展開し、「スモークド梅ファッションド」には、“忠実”という花言葉を持つ梅を使用。

国産ブランデーに漬け込んだ自家製梅酒でオールドファッションドを作り、ヒノキのビターズ、桜の木のチップのスモークを加えた。シニアバーテンダーのグラハム木村さんは、「カクテルの世界を目いっぱい楽しんで。メニュー表には着想源となる物語のイラストを添えています」と話す。

大手町〈VIRTÙ〉店内
幾何学模様の仕切り、カットガラスが施された照明などモダンクラシックな雰囲気が。フロア中央を貫く8.2mのロングテーブルは圧巻。

Bar Bellustar(新宿)

高層ビル群を眼下に、食通のためのカクテルを

2023年5月、新宿〈東急歌舞伎町タワー〉にオープンしたばかり。上層階、3層吹き抜け13mの空間にあるバーのカウンターに立つのは、世界大会『ワールドクラス』で部門優勝の経験を持つ、ビバレッジディレクターの吉田茂樹さん。「1杯目に合う軽い口当たりもの、グルメな味わいのものなど、コース料理のようなバリエーションを意識しています」。

シグネチャーの「イーストサイド フィズ」は、五島列島のジンに、発芽玄米の甘酒や北海道のハマナスリキュールをプラス。“食通のカクテル”がテーマの「サバイヨン アスペルジュ」は、シェリーやジン、アスパラピューレなどを合わせ、ドライアスパラとサバイヨンソースをオン。このほか14種ほどのオリジナルカクテルが揃う。

新宿〈Bar Bellustar〉店内
天井には大巻伸嗣によるアート作品が。時間によってライティングの色合いが変わり、フロアに幻想的な影を落とす。

BVLGARI BAR(八重洲)

太陽と風を感じながら堪能。イタリアと日本の“味の旅”

赤黄色の枝に留まる、色とりどりの鳥たち。楽園をモチーフに描かれたモザイク画がカウンターを彩り、45階のワンフロアを贅沢に使ったラウンジには日光が差し込む。左右に広がる半屋外のテラス席から、爽やかな風が吹き抜け、都会的ながら自然の気配を感じられる。そんな空間で味わいたいのは、“イタリアと日本を巡る旅”を表現した、シグネチャーカクテル「ジャルディーノ」。

ウッドやハーブの香りを加えたジンに、日本酒や発酵レモンをミックスした、ボタニカルな一杯だ。バーマネージャーのアンドレア・ミナレッリさんいわく、「日本の風土やクラフト文化が好き。いろんなお酒や味に出会いたいですね」。温かな笑顔で、日欧へのリスペクトが込められた新鮮なカクテルを提供してくれる。

八重洲〈BVLGARI BAR〉店内
天井の高いバーラウンジ。テラスを含め109席。日没後は東京の夜景が一望できる。