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“あん”を纏えば。揚げ餃子×甘酢あんのお店3選〈中華 三幸苑〉〈兆徳〉 etc.

町中華には、揚げ餃子に一工夫を加え、自家製の“甘酢あん”をかけて提供する店も多い。揚げたてのカリカリの餃子に、あんが絡み、具のホクホク感も相まって、美味口福!

photo: Koh Akazawa, Kazuharu Igarashi / text: Emi Suzuki

中華 三幸苑(門前仲町)

食感の良い餃子と、
まったり甘酢あんの絶妙なハーモニー

地元民に長く愛される下町の老舗町中華。2014年に現店主の永野雅子さんが、餃子を一新。「季節によって味や食感が変化しやすい白菜を入れるのをやめ、旬に左右されにくいニラとネギのみに変更。豚挽き肉のほか、つなぎとして鶏挽き肉を使い、野菜と肉を混ぜすぎないことで、食材の食感を残した餡に仕上げています」。

揚げ餃子は、調味料としても使える上質なラードを用い、高温で一気に揚げる。酢、醤油、ざらめに、毎日ガラから作る白湯スープを加えた甘酢あんは、とろみ多め。まったりと重みのあるあんと餃子の一体感が見事な一皿。

門前仲町〈中華 三幸苑〉揚餃子

1人前5個 500円。(寸)7.6cm、(皮)厚、(ヒダ)2、(具)多。

中華銘菜 餃子菜館(三鷹)

宴会の裏メニューから定番化。
上品な甘酢あんが優しく絡む

店名にもあるように餃子が名物で、焼き、ゆで、水など種類豊富。「甘酢揚げ餃子」が登場したのは2010年頃だとか。
「よくこの店で宴会をする常連客に提供したら、すこぶる評判が良かったので、メニューに加えました」と、2代目店主の遠藤昌志さん。

豚挽き肉とキャベツをベースに、ニンニク、ショウガのほか、山椒や牡蠣(かき)油を使い、しっかりと味つけされた餡を皮で包み、じっくり揚げる。甘酢あんは、あとがけではなく、鍋で揚げ餃子と絡ませてから提供。餃子にあんがしっとり馴染み、白髪ネギのシャキシャキ感も良いアクセントに。

三鷹〈中華銘菜 餃子菜館〉揚餃子

1人前6個 650円。(寸)6cm、(皮)普、(ヒダ)4、(具)普。

兆徳(本駒込)

レモン香る甘酢あんで仕上げた、
さっぱり上品な揚げ餃子に悶絶

本駒込〈兆徳〉揚餃子
〈兆徳〉の揚げ餃子の存在感たるや!輝きを放つ甘酢あんは、最後の一滴まで飲み干したいほど酸味と甘味が絶妙。

1時間待ちは当たり前で、昼夜問わずお客がひっきりなし。「毎日仕込む餃子は1,000個以上だよ」と、微笑みながら店主の朱徳平さんが話す。

「餡は豚挽き肉、キャベツ、ニラ、干しエビ。チャーシューを煮込んだスープでよく練って、コクを出してるから、うちの餃子はニンニク入ってないよ」。それを厚めの皮で包み、揚げたのが「揚げ餃子」。餃子全体に油が行き渡るよう、中華鍋をゆすりながら、炒めるように熱を加えるのが兆徳流。レモンの香りが効いたさっぱりめのあんをかけて完成。旨味が凝縮した揚げ餃子のおいしさを引き立てる。

本駒込〈兆徳〉揚餃子

1人前6個 600円。(寸)6.7cm、(皮)厚、(ヒダ)8、(具)普。