器と作家の数に圧倒される都内屈指の大空間で宝探し
水道橋で2008年から続く器ギャラリーが、2022年末、近隣へ移転。作家のラインナップは大きく変わらないものの、什器(じゅうき)のほとんどを入れ替え、明るく、賑やかさを感じさせる雰囲気へと生まれ変わった。
50坪という都内でも指折りの広さの3分の1ほどが展示会スペース。大きな窓から光が注ぐ、白とグレーを基調にした空間に作家の個性がよく映える。
常設エリアは「宝探しのような感覚で、店全体をぐるりと巡ってもらえたら」というオーナー柳田栄萬(えいまん)さんの思いから、作家や器の種類によるカテゴリー分けをあえてせず、80人にも及ぶ作家の手になる、陶器、磁器、漆、ガラス、木工、金工などが並ぶ。
料理人でもある柳田さんが、実用する食器としてのクオリティに太鼓判を捺(お)すのが永草陽平の煌彩(こうさい)磁器だ。愛知県春日井市で作陶する若き作家の、器を手に取る前に人柄に惹かれ、作品を購入したところから取引がスタートした。
「さまざまな釉薬を使った多色展開で、ガラス質がきらめく器なのですが、これが意外にも食材やほかの器によく馴染む。色違いで並べてもきれいですよ」。