自分たちで狩猟採集した地元食材を提供するこだわり
東京で蕎麦修業してUターンした旦那さんと、出版社勤めをしていた奥さんが営んでいます。完全予約制という営業スタイルや、山奥に店を構えるという立地など、儲けを考えたら決して有利ではないスタイルながら、自分たちがやりたいことだけをやって成立させていることにリスペクト。
もり蕎麦は江戸前のカツオだし、ぶっかけは佐渡の伝統的なあごだしでいただきます。鬼くるみそばを注文すると、彼らが山で採集してきたクルミがすり鉢と一緒に供されるので、蕎麦を待つ間に自分ですります。そういう演出一つとっても従来とはまったく違った蕎麦体験を得られると思います。海や山で調達してきた地の食材ばかりで組み立てたコースも素晴らしい。なんと醤油や酢などの調味料も自家製なんです。
初訪の8年前は移住や自分で暮らしを作るといったライフスタイルが今ほど一般的ではなかったけれど、その後の私の暮らし方にまで大きく影響を受けました。おかげで、近くにありながら馴染みのなかった佐渡が、今では故郷の一部になりました。