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アーティスト・赤池完介の忘れられない味。南伊豆町〈南伊豆米店〉の羽釜で炊いた米のおにぎり

「人生変わっちゃったかも」。そう思えるほどの食体験を持っている人は羨ましい。その味への再会を思い浮かべながら過ごす日常は、すでに十分幸福なはず。アーティスト・赤池完介さんが旅先で出会った、特別でかけがえのない一皿。その思い出を存分に語ってもらった。

illustration: Hagie K / text: Mick Nomura (photopicnic) / edit: Ichico Enomoto

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労働の後にみんなで食べる、最高にハッピーな味

ハギーK イラスト

南伊豆に移住した際、家で毎日食べる米をどこで入手しようかってときに紹介してもらったのが、無農薬で米作りをしている〈南伊豆米店〉の中村大軌さんでした。休耕田を再利用したり、山林の整備をしたり、地元の古品種の米を復活させたりと、南伊豆の自然と文化を次世代へつなぐ活動をしている人。

彼は毎年、田植えと収穫の時期にイベントを開催しているんです。田んぼの作業をみんなでやって、お昼ご飯にはその田んぼでできた米を羽釜で炊いて、おにぎりにして出してくれる。いつも食べている米ができるまさにその場所で、青空の下、労働で汗を流したあとに、みんなで食べるおにぎり。

シンプルだけど、それらの要素が相まった味は究極!秋は新米になるから、それもまた格別に旨い!しかも地元の人たちが干物やジビエを持ち寄ってきてくれたりして、なにげにおかずも充実しちゃうんですよ。ゲストハウス〈ローカル×ローカル〉のプログラムなどでも、羽釜で炊いた〈南伊豆米店〉のおにぎりが食べられます。

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