出口屋(中目黒)
語る人:杉田剛史
ブルワリーとの信頼関係が垣間見える、唯一無二のラインナップ!
昭和8(1933)年創業の〈出口屋〉に、杉田剛史さんが入社したのは2006年頃。当時はワイン中心の酒店だったが、クラフトビールの人気が広まりつつあったこともあり、杉田さんがビールのバイヤーを任された。
「ビール選びの基本スタンスは、蔵元と直接取引すること。だから国内ならブルワリーに極力足を運んで、醸造家の思いをヒアリングします。たとえ少し味にブレがあったとしても、造り手の個性や生き方までもが滲(にじ)み出てくるようなビールほど魅力を感じます。流行に流されることなく、長く付き合いたい。限定ビールだけでなく、定番品も大切にすることで信頼関係が築け、生産量が少ないビールも仕入れることができるので、安定して商品をお客さんにお届けできています」
平野屋酒店(神泉)
語る人:店主・平野明良
商品の回転が速く、新作も続々入荷。一期一会のおいしさを体感できる酒屋
明治40(1907)年創業の老舗を、5代目店主の平野明良さんが〈ブラッセルズ〉などでバーテンダーの経験を積んだ後に、2013年クラフトビール中心の酒屋兼ビアスタンドに改装。さらに2021年3月に同じビル内の隣に移転し、スペースを3倍拡張、商品も拡充。
「当初はベルギーに特化していましたが、IPAブームにより、アメリカ、カナダのビールも増やしています。特にカナダは、アメリカに比べて日本での認知度がまだ低いですが、自分が留学していたこともあって力を入れています。カナダは、アメリカ北西部を中心に醸造されるノースウェストスタイルIPAの流れを汲んだモルト感の強いしっかりとしたボディが特徴。新作や話題の商品も積極的に仕入れて、お客さんに新たな出会いを提供したいです」