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〈好好〉〈永新〉〈膳楽房〉etc. 東京の辛旨い担々麺6杯〜前編〜

見た目も好みを物語る坦々麺。要素が少なそうで、実は多種多様。まずは好みの麺と汁の有無で選べ。

Photo: Akihiro Nagata, Shin-ichi Yokoyama, Megumi Uchiyama / Text: Yumiko Ikeda, Aya Shigenobu, Mutsumi Hidaka

中国四川料理 梅香(神楽坂)

〈趙楊〉のDNAを受け継ぐ
女性料理人の繊細な麻辣味

痺★★ 辛★★

中国四川料理 梅香 坦々麺 BRUTUS

担担麺は汁なし派という犬養裕美子さんから堂々の1位指名。花椒の香りとともに運ばれる汁なし担担麺はしっかり和えて食べるのがお約束。自家製ラー油、甜麺醤や醬油で味つけした肉味噌、自家製山椒油が一体となり、爽やかな辛味と香りが脳天を刺激し、後味はすっきりキレがよい。「山村光恵シェフの思いきりのよい辛さと痺れにシビレます」(犬養)。汁なし担担麺 ¥1,510

好好(不動前)

しっかり寝かせた黒ゴマが
味のバランスを見事に調和

痺★★★ 辛★★

BRUTUS 好好(不動前) 坦々麺

黒ゴマは鉢で大量にすり、ほかの調味料と混ぜ合わせて10日前後寝かせたものを使う。この一手間が、香りと旨味を引き出すコツ。大量の花山椒による痺れと、自家製の麻辣醤の辛味はパンチがあるが、黒ゴマが優しい口あたりに仕上げている。食べる前にはしっかりとかき混ぜること。「余計な調味料を一切使ってない、ナチュラルな風味が好みです。たくさんのゴマが入った濃厚なスープは、マイルドでクセになる味」(松尾)。黒胡麻担々麺 ¥900

永新(麻布十番)

圧倒的存在感のビッグな一杯
均整のとれた味は満足度も大

痺★ 辛★

永新(麻布十番)坦々麺 BRUTUS

創業53年の暖簾を2代目が守る。麺は1.5玉、スープは縁までなみなみと迫力のボリューム。町の中華屋と謙遜するが、丁寧に仕込みがされたスープを飲めば推して知るべし。「スープ、ラー油、芝麻醤の3要素が渾然一体となり、とにかくバランスがいい」(柏原)。タレのベースにも用いるラー油で炒めた挽き肉は、香りも辛味もしっかり。溶かしつつ食べて味の変化を味わうべし。担担麺 ¥1,350

膳楽房(神楽坂)

リッチなゴマの風味に続き
じんわりと穏やかな麻辣を

痺★★ 辛★

坦々麺 膳楽房(神楽坂)BRUTUS

芝麻醤の白色を前面に出し、見た目は控えめな色合い。「注目度No.1の若手シェフが作る一杯は、バランス感覚に優れた上品な味」(大木)。味わいも、インパクトより後から追いかけてくる旨味と辛味こそが腕の見せどころ。一味唐辛子で作るラー油は、台湾産の揚げ赤タマネギで辛さにコクと甘味をプラス。苦味が少ない四川漢源産の花椒の爽やかな柑橘の香りが、芳醇なゴマの風味を引き締める。担々麺 ¥1,100

源烹輪(富士見台)

奥行きある旨味の秘密は
唐辛子遣いにあり

痺★★ 辛★★

源烹輪(富士見台)坦々麺 BRUTUS

豆板醤、乾燥唐辛子、山椒、黒コショウが入った、複雑な味と香りが特徴。最初の口あたりは見た目より優しく香ばしいが、後からカッとした辛味が襲ってくる。ラー油を少ししか使わない代わりに、ニラと挽き肉を炒める時に唐辛子を一緒に入れることが、深みのある複雑な辛さを生み出すポイントの一つ。「花山椒に、赤唐辛子が4本。“かかってこい”と言わんばかりの迫力ある一杯です」(牧元)。担々麺 ¥864

ほおずき(中野)

ほかでは味わえないエビ風味!
食べ応えのある麺もポイント

痺★★ 辛★★

ほおずき(中野)坦々麺 BRUTUS

「体が食べたいと求めるような、ヘルシーさを重視しています」と店主の吉澤晃さんが話す担担麺は、何種類ものエビをブレンドした粉を使った、2日間かけて作る香ばしいスープがポイント。干しエビの風味と手作りラー油、芝麻醤の刺激が重なり合って、ヤミツキ必至。全粒粉の麺は弾力があり、スープともよく絡む。「エビの香りが効いて食べやすい。辛さが選べたり、種類が多いところもいい」(松尾)。担々麺 ¥800