Live

ツリーヘッズ代表・竹内友一のキャビン。移動もできるハーフビルドのタイニーハウス

車輪が付いていて移動できれば、家ではなく「車両」だし、用途地域にもよるけれど、10㎡以下なら建築の確認申請が不要。そんな、規格外に小さく、オフグリッドな居住空間の可能性を、竹内友一さんに聞きました。

illustration: Natsuko Kawatsu / text: Tami Okano

移動もできるハーフビルドのタイニーハウス。
data 長さ4.6m、幅2.4m、高さ3.4m。本体価格480万円(税別)〜。4タイプ計画中で、写真は切り妻屋根のポーチ付き《Type D》。
設置可能な場所は基本的にトラベルトレーラーと同じ。

もっと自由でもっと小さなキャビンを考える。

タイニーハウス。直訳すれば「小さな家」。
車で牽引すれば移動できるゆえ、トレーラーハウスにも似ているが「僕らがタイニーハウスに感じている魅力は、シンプルに暮らせること。小さな家に入れられるものは限られているため、自分に必要なものは何かを見つめ直せたり、人生の変化にしなやかに対応できること。移動しながら生きよう、という提案ではないんです」と竹内友一さんは言う。


アメリカ西海岸を中心に社会現象にもなった「タイニーハウス」と竹内さんの出会いは8年ほど前。魅力的な住人たちを訪ねた映画『シンプライフ』を製作後、山梨県北杜市に拠点を構え、小さな暮らしの研究開発プロジェクト「ホームメイド」をスタートさせた。


「ホームメイドは、自分たちの手で暮らしを作る試みです。タイニーハウスはその軸となるもので、これまではオーダーメイドの小屋を作ってきましたが、プロジェクトを機に、構造以外は住み手がDIYできる規格型の製品を開発中です。自分が必要なものや優先したいことによって、内装は使う人がそれぞれデザインすればいい」

ゼロからのセルフビルドはハードルが高いけど、小さな小屋のハーフビルドからなら始められる、という人も多いはず。その経験は今まで誰かに頼り切っていた暮らしの場づくりや取捨選択の楽しさを、実感させてくれるに違いない。