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CULTURE SAUNA TEAM “AMAMI”が行く欧州サウナ旅〈オランダ編〉

サウナカルチャーを考察するために結成されたCULTURE SAUNA TEAM “AMAMI”の草彅洋平、84ken(橋本健太郎)、オリティー(濱田織人)が、欧州5ヵ国のサウナを巡る冒険に出発。約2週間のサウナ漬けの旅の果てに、彼らが見たものとは?

photo: Thermen Bussloo / interview & text & edit: Yohei Kusanagi / editorial assistant: Yuji Nakano, Nao Uema, Kentaro Hashimoto, Orito Hamada

サウナが全部で16室も!
ドイツ式で男女が真っ裸

ヨーロッパで開催されるアウフグースの世界大会『Aufguss WM(アウフグースマイスター選手権)』に向けて出発!

今年はオランダで開催されるため、アブダビ経由のフライトで現地へ。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、空港が人手不足状態=荷物を紛失しやすいという情報から、旅の荷物を最小限に抑え、バックパック1つという「サ旅」(サウナ旅)だ。

スキポール空港から車で1時間のところにある会場〈Wellness & Hotel Thermen Bussloo〉について、僕らは何の情報も持ってなかったが、到着してビックリ!日本ではサウナの数が1〜2室の施設がほとんどだが、ここはサウナが全部で16室もある超ド級の施設だったのだ!ドイツ式の施設のため、基本男女が真っ裸で混浴というのも、日本では体感できないピースな楽園感が漂っていた。

Thermen Bussloo
会場となった〈Thermen Bussloo〉。驚愕の巨大施設!

この日は予選が開催されていたが、広大な施設を巡っているだけで一日があっという間に終わってしまう(1施設だがサウナ室が多いので16セットも!)。「〈Thermen Bussloo〉を超えるサウナは今後存在しないだろう」という確信だけが僕らには残った。

戦する側もアスリート
日本のアウフグースと別競技

サウナシアター
本大会開催のために建造されたというサウナシアター。一度に100人以上が入ることができ、照明演出や映像の投影もできる。

『Aufguss WM』の決勝。プラチナチケットを、〈スカイスパYOKOHAMA〉の金憲碩社長と〈湯らっくす〉の西生吉孝社長のお力添えで手に入れることができた。それならばと16試合すべてを観戦すべく、早朝から会場へ。

アウフグースの演目は15分間。それが45分ごとに開催されるため、ほぼ30分置きにアウフグースを計16回受けるという極限状態が夜の21時30分まで続く。並ばないと良い席が確保できないため、休憩する時間は毎回15分以内。この間に水分とミネラル補給を行わねばならず、観戦する側もアスリート並みのコンディションを求められる。「シングル」と「チーム」の演目が交互に行われていく『AufgussWM』は、順位を決める競技のため、当然採点基準がある。

それは「サウナ室で行われるフィギュアスケートの採点方式のような小演劇」と説明するのが適切だろうか。ストーリーと演目の世界観が重要視され、各テーマに沿った音楽と照明を用いる。バケツの水を床にこぼしたり、回転させているタオルを落としたりすると減点される。逆にきちんと丁寧に作業をし、難易度の高いタオル技や、息の合ったコンビネーション技を見せると高得点という寸法だ。もちろん温かい風を届けられるか、キューゲル(氷の球)を綺麗に割れるか、といった細かい審査ポイントも。

ストーリーは、精神科医がサイコになっていく話や、アルカイダによる内戦でできなくなった子供たちの凧揚げを復活させる物語など、シリアスな内容が多い。特に決勝戦の最終演者であり、優勝したオランダのローラ・ランダーズの、妊娠が判明した女性が一人で子供を出産するまでの物語は、サウナ室に便器が持ち込まれたり(検査薬で妊娠に気づくシーンに使用される)、赤ちゃん(人形)から飛び出したおしっこでロウリュしたりと、日本では絶対あり得ないようなアウフグースが展開されて腰を抜かした!

今回、海外の「Aufguss」を初めて観て、日本の「アウフグース」とはまったく別の競技だということを知った(そもそも日本は「熱波」というジャンルもあり、独自路線だ)。

はっきりとわかったことは、ショーアウフグースはタオル技術だけでなく、演劇の素養と15分間の演技に耐えられる強靱な肉体が必要だということ。世界のトップアウフグースマスターは俳優出身だったり、ムキムキの体。今後、日本人選手が世界の頂点に上り詰めるには、筋トレは必須だろう。

わずか2日で32セット。僕らのサウナ疲労は早くもMAXに突入してしまうのであった……。