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縄文はファンキーだ!5,000年前のデザインに迫る

ぐるぐる渦巻く土器もかわいい土偶も、約5,000年前に生まれたもの。作ったのは八ケ岳山麓に暮らした縄文人だ。そのファンキーな造形の謎を知りたくて、グラフィックデザイナー佐藤卓さんと縄文博物館をハシゴ旅。
後編「グラフィックデザイナー・佐藤卓と行く、山梨・長野の縄文を深掘りする旅」も読む。

photo: Keisuke Fukamizu / edit&text: Masae Wako

水煙文土器
「ヒモ状の粘土で渦を描き、別の渦とぶつけたり繋げたり。きっとノリノリで作ったんでしょうね。手が気持ちよく動いていたことが、伝わってきます」と佐藤さん。水煙文土器。高さ83㎝。安道寺遺跡出土。山梨県立考古博物館蔵。

「なんだこれは⁉」。かつて上野の博物館に出かけた芸術家の岡本太郎はそう叫んだ。目の前には激しく渦巻く縄文土器。胸の奥をぐわんぐわんとかき乱され、「こんな日本があったのか。いや、これこそが日本なんだ」とつぶやいた。

「なんだこれは⁉」。今回、山梨県のとある博物館でグラフィックデザイナーの佐藤卓さんも驚いた。目の前には、八ケ岳山麓の中部高地から出土した大型土器。

「こんなにすごい3Dデザインを、当時の人が作っていたなんて!」

縄文時代は、旧石器時代が終わった約1万6000年前から1万年以上も続いた長い時代。狩猟採集と定住を始めた人々は、身近にある粘土で土器や土偶をこしらえた。日本各地で地域色豊かな土器と土偶が作られた中、とりわけ大胆で奇怪でファンキーな造形が生まれたのが、八ケ岳周辺の中部高地。縄文中期と呼ばれる約5000~4000年前のことである。

そんな唯一無二のデザインを訪ね、山梨・長野の縄文博物館へ!