クセの強い食材ほど
異国感、旅感が増す!
食材、惣菜からコスメまで多種多様。
ソウル市場
「むははは」。佐藤シェフの高笑いが聞こえたのは空耳か。ここは新大久保。何度来てもワクワクするというシェフ、この日も嬉しくてたまらない様子だ。
まずは〈ソウル市場〉から。入口に並ぶ色とりどりのマカロンに驚きながら、ズンズン中に進む。天井近くまでビッシリと並ぶ商品群から、ニラキムチ、チヂミミックス粉などをゲット。「ここの惣菜、出来たてだから旨いんです」ということで“ソウルみやげ”のキンパも忘れずに。最近、シェフは『梨泰院クラス』、妻は『愛の不時着』と、夫婦揃って韓国ドラマにハマっていたという。
そのため、韓国食品店のパトロールにも新たな視点が加わった。あのシーンで食べていた料理にはどんな材料が使われているのか。これかな、あれかな、てな具合だ。
調味料の品揃えの幅広さ、奥深さに感動。
華僑服務社(かきょうふくむしゃ)
続いて、歩いて数分の〈華僑服務社〉へ。こぢんまりしたビルながら、地下1階から地下3階まである。地下1階は食料品フロア。うーん、中国の市場の匂いがする。中国のみならず、アジアの食材もあり。一つのアイテムで何種類もあるので、シェフもちょっと迷い気味。ラー油で迷い、黒酢で迷った。地下1階では、太めの春雨に四川青山椒など、2階の冷凍フロアで、レアな豚の軟骨もゲット。
まるで、ハラール食品の総合デパート。
シディークナショナルマート
今度は、〈シディークナショナルマート〉へ。こちらはハラール食品を扱うグローサリーショップ。ここはイスラム圏か。鼻って脳に直結しているせいか、匂いが妄想の海外へと誘ってくれる。入口には野菜やインスタント麺がどっさり。ウィンドウには色鮮やなパキスタンスイーツがかわいらしく並ぶ。
シェフの本日のお目当ては、チキンマサラにパラタ。パラタとはインド亜大陸、東南アジアの薄焼きパンのこと。「パンとパイのいいとこどりみたいなパン」だそう。インドのパワフルスパイス、ヒングパウダーも購入。決していい香りではないのだが、加熱するとなんとも芳しく変化するのだとか。これは上級者向きかな。
フレッシュハーブの充実もありがたい。
ASIA SUPER STORE
本日の最終目的地は、タイ食材が日本一あるかもしれない〈アジアスーパーストアー〉。タイに住んでいたシェフの牙城ともいうべき店舗だ。もう、目がキラキラ♡動きも素早い。ナンプラーの棚にある何種類ものボトルを見ながら、「これはタイで住んでた家の隣に工房があった」といったエピソードも挟みつつ、気がつけばカゴは2つに。
重くても壊れやすくても、家まで近いのが、旅と違う利点。魚肉団子や唐辛子パウダーなどもひょいとカゴへ。コブミカンの葉、赤タマネギ、カー、レモングラスといった生のトムヤムセットもあって、至れり尽くせり。
望みの食材を無事に手に入れ、満面の笑みのシェフ。お店はどこもきちんとディスプレイされていて、新大久保ビギナーにも優しい。お店の人も親切。外国の市場で買い物している気分に浸れる。新大久保アジアツアー、楽しいもんだ。「さぁ、料理を作るぞ」