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店の奥には本格サウナ⁉飲食店が手がけるサウナ3選。新味のオロポも

店を訪ねると、なぜかその奥には本格的なサウナが。そんな飲食店が急増中だ。サウナの後に楽しめるのは、「サ飯」の概念を遥かに超える絶品の数々。そば飲み、スパイス料理、町中華。新たな業態で人気を誇る、近年開業した3店を訪ねた。

photo: Kazuharu Igarashi, Yoshiki Okamoto, Shu Yamamoto (adam∙eve) / text: Koji Okano

恵比寿サウナー(東京/恵比寿)

2021年9月開業の〈恵比寿サウナー〉。サウナ×居酒屋の業態は、複数の飲食店を手がけるこの店のオーナー・高橋賢さんのコロナ後を見据えた挑戦だ。2階のサウナは1〜4名用の個室のみ。また1階の居酒屋はカウンターが主体ゆえ、一人酒にも最適だ。

名物料理の一つが、海鮮や肉、野菜を使った創作天ぷら。揚がるのを待つ間、旬魚を生かした日替わりの一品や、板わさなどのつまみで一献傾けるのが、この店の定番だ。また〆にはもう一つの名物、そばを。鴨そばは、2種の十割そばに、鴨肉と野菜の陶板焼きが付いたセットだ。そばは陶板で煮込んでも、そばつゆで食べても美味。鴨肉を肴に日本酒をやれば、ととのった体に、なお染み入る。

+O+O+O Sauna And Kitchen(東京/馬喰横山)

コミュニケーションサウナを謳い、「グループでまったり利用できる」と評判の〈SAUNA OOO〉に併設されたダイニングバー。「ととのった感覚を持続させる、新しいサ飯を提供したかったんです」と、代表の飯田拓哉さんは話す。

口開けの定番、森のジンソーダは、モミ、アカマツなどが香るフォレストシロップを効かせた一杯で、サウナ後の心地よさを包み込むようなフレーバー。よだれ鶏には塩麹と薬膳味噌を、南蛮漬けには黒酢を効かせるなど、人気のおばんざいも体にじわっと染み入る味だ。

またスペシャリテのローストラムのマサラカレーには、竜眼肉などの生薬をプラス。体に優しいメニューの数々が、さらにサウナ後の幸福感を深めてくれる。

ぎょうざ湯(京都/祇園)

京都・祇園〈どんぐり会館〉に、2021年7月に開業した、〈京都 夷川餃子 なかじま 団栗店〉。西洞院夷川の本店とは異なり、店の奥にサウナ〈ぎょうざ湯〉を併設する。「広い物件を生かして、オーナーが大好きなサウナを造ったら、予約が殺到しました」。今や2ヵ月先まで満室です、と店長の上田翔太さんは付け加える。

メニューは、京都ぽーくの旨味が濃厚な餃子に加え、本店にはない茄子の辛味噌炒めといった町中華の一品も揃って、ガッツリ度アップ。賀茂川水系の地下水を汲み上げた水風呂とサウナでととのった後、しっかりとスタミナを補給したい客に重宝されている。また2023年春には、本店にもサウナができる予定。その完成が楽しみだ。

定番メニュー「オロポ」も、いろいろあります

話を聞いた店:アダムアンドイブ

サウナ後の定番、オロナミンCとポカリスエットを混ぜた「オロポ」。そのインスパイア系として今、ウォッカ入りの〈恵比寿サウナー〉のウォロポや、オロナミンCでなくファイブミニを使う〈+O+O+O Sauna And Kitchen〉の赤紫蘇ファイブミニポが登場。〈ぎょうざ湯〉のオロポは、基本形だ。

オロナミンCとポカリスエットを混ぜた「オロポ」、赤紫蘇ファイブミニ
左から/〈恵比寿サウナー〉のウォロポ 700円、〈+O+O+O Sauna And Kitchen〉の赤紫蘇ファイブミニポ 850円、〈ぎょうざ湯〉のオロポ 480円。

「昔はオロナミンCにヤクルトや牛乳を混ぜて提供しました」。オロポ発祥の地とされる〈アダムアンドイブ〉社長の文沢圭さんは言う。試行錯誤の末、より喉の渇きを潤す、飲み口にパンチがあるとの理由でオロポが誕生したそうだ。

続々と現れる、新味のオロポ。次の定番が生まれる日も近い?