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ドキュメンタリー好き・テニスコート小出圭祐、忘れられないあのシーン。『猫イジメに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』

ドキュメンタリー好き、コントユニット・テニスコートの小出圭祐さんが「忘れられない、あのシーン」について語ります。

illstration: Ryo Ishibashi / text: Nozomi Takagi

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猫虐待動画の犯人をエスカレート
させたのはネット民の反応では?
と提示されたシーン

もともと、犯罪モノのドキュメンタリー作品を観るのが好きで。特にNetflixの犯罪モノはよく観ていたので、『猫イジメに断固NO!』もその流れで観始めたんです。最初の印象は、シンプルに「テンポ良くストーリーが進んでいくなあ」というものでした。

語り部のディアナは親しみやすくて明るいキャラクターだし、世界中のネット民が動画を手がかりに“特定”を進めていく様子も、疾走感があって引き込まれました。でも、徐々に犯人像が明らかになり、逮捕、そして犯行動機が明るみになると……心に残ったのは、罪悪感でした。

『猫イジメに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』

犯人が100%悪いのは確か。でも、ネット上の反応は犯人の承認欲求を満たし、少なからず行動に影響を与えていました。じゃあ、こうやって僕が犯罪をドキュメンタリー作品、つまりエンタメとして楽しんでいるのも、結果として誰かの行動をエスカレートさせることにつながる可能性があるのではないか、と。

面白いけど、同時にすごく後味が悪く感じてしまう。こちら側を巻き込み、当事者の一人として、重い問題を突きつけてきます。しばらくスリリングな犯罪モノは観なくていいかな、という気分になるので、沼から抜け出せない人には、逆にオススメです。

『猫イジメに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』イメージイラスト

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