選んだ人:田中淑鏡知さん(36チャンバーズ・オブ・スパイス 代表)、竹田太造さん(スペーススパイス 代表)、野村茂宏さん(エース 経営企画室)、編集部スタッフ
36:円熟咖
「京都・城陽〈木村農園〉の朝採り完熟イチジクを、丸ごと使用。フルーティな甘味がたまりません」(田中)。マンゴーでチャツネを作るならイチジクもスパイスに合うはず、と木村さん夫妻が考案。イチジクの風味を生かすべく、肉は不使用だが、コク深く仕上げた。デフォルトでスパイシーだが、さらにガラムマサラ付き。〈城陽旬菜市直売所〉で販売。
37:幻のじゃがいもマチルダがゴロっと入った十勝めむろカレー ビーフスパイシー
「ジャガイモが主役のレトルトカレーって珍しいんです」(竹田)。北海道の十勝平野に位置する芽室町の特産ジャガイモ「マチルダ」が、ゴロゴロと存在感を示すレトルトカレー。その甘い味わいとホクホクした食感は、パンチの効いたスパイシーカレーと合わせることで際立つ。味の染みたジャガイモでライスが進むこと。食後には、濃厚な甘味が口内に漂う。
38:王様のスプーン 極醸カレー
大阪・西天満のカレー店〈王様のスプーン〉は自家焙煎して独自に配合するほど、スパイスにこだわりアリ。パッケージを開けると香りが漂うくらいカルダモンを贅沢に使用。クミンシードも浮いていてふんだんに使っていることが一目瞭然だ。ガラムマサラの小袋も付いている。「油脂分を最小限に抑えることでスパイスの風味が生きています」(野村)
39:最高にパンに合うカレー
同志社大学・高橋ゼミと〈北野エース〉が共同開発。「学生がマーケティングのゼミで得た知識や家庭の食事情をもとに、パンと食べることだけを考えて作った唯一無二の商品です。情熱と時間を費やしました」(野村)。バターナッツトマトカレー&ほうれん草チーズカレーの2袋入り。パンは小麦粉製だからカレーは小麦粉不使用にするなど細かな配慮が。
40:白樺派のカレー(チキン)
近代文学の一翼を担った一派「白樺派」の中心人物だった柳宗悦の妻・兼子さんが、志賀直哉や武者小路実篤らに振る舞っていたカレーを再現。陶芸家のバーナード・リーチがアドバイスしたという味噌が隠し味だ。「実は僕の地元のご当地カレーなのですが、レトロなパッケージの印象に反して、マスタードシードが入っていたりと本格派」
(竹田)
41:牛テールカレー Gorotto
「とにかくインパクトのあるカレー。“男性のこぶし大”ほどの牛テールが、ゴロッと入っています」(野村)。牛1頭からわずかしか取れないテールは、骨付きのままオーブンで焼き、余分な脂を落としてから煮込む。肉は簡単にほぐれる軟らかさ、欧風仕立てのカレーも香り高い。別添のクミン&ガラムマサラパウダーで、よりスパイシーに“味変”も可能だ。
42:国内産野菜で作ったベジタリアンのための野菜カレー
「“国内産原料の使用比率80%”のこだわりもある、動物性原料・着色料不使用のベジタリアンカレーです」(田中)。こちらの商品は、じっくりと炒めたタマネギ、トマトピューレ、マンゴーチャツネが醸す、落ち着いた甘味が印象的だ。辛さ控えめのマイルドな味わいが魅力。このシリーズには同じくベジタリアン向けの「豆カレー」「根菜カレー」もある。
43:マトンパンジャビー
「手軽にマトンカレーが食べられるありがたさ。こちらの会社の商品に出会って、レトルトを極めようと思いました」(田中)。〈ニシキヤキッチン〉は、1975(昭和50)年からレトルト食品専門メーカーとなった〈にしき食品〉の自社ブランド。丁寧に下処理された羊肉は、特製スパイスミックスも効いて臭みはなし。2種のトマトの甘味と酸味も爽やかだ。
44:五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー(プレーン)
長崎・五島の新鮮な鯛から取った、旨味が深いだしをベースにしたカレー。長年カレーを研究し続けている料理人がレシピを考案したという本気のプロダクトだ。具がなくスープやパスタソースにもアレンジできるプレーンタイプのほか、チキン、ビーフ、チーズ、五島豚なんこつの具入りタイプ4種も。「鯛の澄んだ旨味が効いています」(編集部)
45:素材を生かしたカレー ジンジャードライキーマ
牛挽き肉の豊かな味わいとショウガの爽やかな風味を生かしたドライカレー。いくつものスパイスをブレンドして、奥行きのある辛さに仕上げている。「50種類以上ある〈無印良品〉のカレーの中で、このキーマカレーは辛め。さらに、たっぷりのショウガがシャープな刺激をもたらして、食べると体の芯が温まって血行が良くなるかのよう」(編集部)
46:素材を生かしたカレー プラウンマサラ(海老のクリーミーカレー)
ココナッツミルクのまろやかさとエビの旨味が融合した、南インドスタイルのカレー。「36チャンバーズ・オブ・スパイスでもエビを使ったカレーを開発したことがあるんですが、ものすごく縮んで苦労した思い出が。でも、これは食べ応えあるエビが3つも入っているし、誰でも食べられるクリーミーな味わいで幅広い層に愛される味ですね」(田中)
47:素材を生かしたカレー スパイシーチキン
ブラックペッパーの刺激と赤唐辛子の辛味がビシッと効いている、商品名通りにスパイシーな一品。「インドのカレー屋さんの記憶を呼び覚まされるような風味とサラッと仕上げたグレービーは、かなりの本格度。カルダモン、コリアンダー、クローブ、シナモン、クミンなどで構成された、ガラムマサラの豊かな香りが生きています」(竹田)
48:焼肉の〆のキーマカレー
人口1万人あたりの焼肉店の数が日本で最も多い長野県飯田市。焼肉が地元に根ざしており、ユニークなのが「焼肉といえばジンギスカン!」と、マトン肉が愛されていること。
その食文化に着目した味噌会社が、羊の粗挽き肉や飯田の辛味噌を使って、お茶碗サイズの100gパックに。「味噌が効いていて、少量でもコクと食べ応えがあります」(竹田)
49:マレーシア風 ワニのココナッツカレー
シェフの本山尚義さんが「各国の料理を通じて、世界の歴史や文化を知らせたい」と、レトルト専門の工房を立ち上げ。ほぼ無添加、自身で手作りしている。ワニのほかラクダやアカミミガメのカレーが揃う「珍食材シリーズ」は現在17種。「ワニ肉入りのカレーは人生初。鶏肉のような淡泊な味で、ココナッツベースにマッチ!」(編集部)。味覚の世界旅行へ。
50:晩酌カレー
国内外4,000軒以上のカレー店を食べ歩いた“カレー細胞”こと、松宏彰氏がプロデュースした、温め要らずのレトルト。「冬にポケットに入れて2駅分歩いてから食べたら、自分の体温で優しい温度に仕上がっていました。非常食としても優秀です」(田中)。台湾の幻のスパイス「馬告」が利いたスパイシービーフキーマは、晩酌のアテにも最適。