箭内道彦
人影少ない夜道で、前を行く女性が後ろを歩く僕を警戒しているのを感じると、ちゃんと用心をするその背中に「それでいいんですよ」と勝手に頷きます。乗っている自転車が盗難車なのではないかと職質を受ければ、町を守る警察官の職務遂行力を心強く思います。会社員時代、役員フロアのエレベーターを降りると複数の警備員が僕のことを怪しんで走り寄ってきました。VIPを護衛する立ち回りに頼もしさを感じた瞬間です。それはそうとTOKIOの松岡くん、いいですよね。自然体で、漢気があって。僕も大好きな男です。
エリイ
うちのメンバーもよく職質をされていました。チンポムカーといって、めちゃくちゃボロくて小石に当たったらバラバラになりそうな軽に乗っていたからだと思います。そして、展覧会の設置に使うのにバールとかの工具がトランクに積んであるんですよ。これは、何なんだって。「職業、芸術家」って言っても伝わらないじゃないですか。長引くんですよね。そこにお父さんの練習用のゴルフクラブとか1、2本ポロッと入っていたら最悪です。時間がどんどん盗られていく。でもね、私思うんですよ。私がお巡りでも職質するなって。
大根 仁
以前、ドラマの現場で警察監修(元刑事)に「職質ってどんな基準でするんですか?」と聞くと、「それはもう見た目がすべてですよ。見た目から発するオーラも含めて」「じゃあ僕なんか相当怪しいですよね?」「いや、監督はされないタイプです。オーラがないから」。もの作りの人間として何か不足しているような寂しい気もしましたが、その人は「ドレッドヘアは職質されやすい」とも言ってました。松岡がドレッドヘアなら確かに。ちなみに僕の周りで職質されがちなのは宮藤官九郎さん。わからんでもない気がします。
知覚を揺さぶる表現活動で一歩前へ。玉山拓郎が着る〈TOKYO DESIGN STUDIO New Balance〉