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アルコ&ピース・平子祐希の好きな器と、その付き合い方

個展に並んで手に入れた若手作家の器、旅先で一目惚れした骨董品、知人からもらった思い出深い一皿……器には、一つ一つに使い手のストーリーが詰め込まれています。カジュアルに楽しむ新世代の器好き芸人・平子祐希が語る、とっておきの逸品と、その使い方。


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photo: Jun Nakagawa / text: Kazuaki Asato

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夫婦で一目惚れした独製ヴィンテージ花器に感じる“わびさび”

Fat Lavaという旧西ドイツを中心にミッドセンチュリー以降に作られたヴィンテージ花器です。奥さんが偶然SNSで見つけて欲しがったので、プレゼントしようと大阪の専門店〈kiis works〉を訪ねたら、僕もハマってしまいました。

それが2年半前で、今では100点以上のコレクションに。バリエーションが豊富で集めたくなるんです。初めての夫婦共通の趣味というのも相まって、楽しいです。最近建てたマイホームにもFat Lava専用の飾り棚を作りました。

これは〈Ruscha〉の「313」という種類で、1950年代のもの。このシリーズのでっぷりしたフォルムと、シャープな持ち手のモダンな雰囲気が特に好みです。

Fat Lavaはカラフルなものも多いのですが、これは釉薬の雰囲気が落ち着いていて、日本的な“わびさび”が感じられていいですね。単体でも見応えがありますが、ドライフラワーの一輪挿しも素敵です。

〈Ruscha〉の一輪挿し「313」
〈Ruscha〉の一輪挿し「313」
第二次世界大戦後のドイツで生まれた陶芸のFat Lavaは直訳すると「肥えた溶岩」。その中でもルシャ社は中心的な存在だった。「313」のフォルムはクルト・チェルナーのデザインである。
「70年代のものは背が少し高くてどっしりしていて素敵ですが、僕は50〜60年代の比較的小ぶりなものが好きですね」

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