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ジェフ・ミルズが選ぶ、エキゾティックな旅へ誘う魅惑のクラシック3曲

星の数ほどあるクラシック曲は、聴き方も楽しみ方も人それぞれ。気持ちを落ち着かせてくれる曲から幽体離脱を促す曲まで?クラシック通27人が極めて個人的なテーマで選んだ3曲を一挙に公開します。

Text: Aiko Iijima, Konomi Sasaki, Saki Miyahara / Edit&Text: Emi Fukushima

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オーケストラ曲に込めたのは
近くてまだ遠い惑星・火星への思い

出会いが多いほど、人生は充実していく。それは世の中を理解していくための特別な知恵でしょう。日常のなにげないことから予想もしなかったエキゾティックな経験まで、それぞれの人格を作り上げるのに必要なことなのです。おそらく人生にはまだ発見されていない驚きがあるから、人は未知のものに惹かれるのではないでしょうか。

1は、SF映画『2001年宇宙の旅』を観て出会ったリゲティの作品。音楽が物語を語るのにこんなにも重要な役割を果たすと初めて学びました。

2は、私がオーケストラのために作った曲。火星は地球に似ている惑星なので人類はいつの日か植民地化する可能性もある。そんなことを考えながら、ミステリー、好奇心、そしていくばくかの親近感を表現しようとしています。

3は、アメリカ黒人初のクラシック作曲家の作品。1800年代後半のアメリカをマイノリティとして生きた彼のビジョンの素晴らしさが反映されています。

1. 「ルクス・エテルナ」/ジェルジ・リゲティ

『「2001年宇宙の旅」オリジナル・サウンドトラック』
『「2001年宇宙の旅」オリジナル・サウンドトラック』演奏:シュトゥットガルト・スコラ・カントルムほか/スタンリー・キューブリック監督作品のサントラ。ソニー・クラシカル/¥1,800(CD)。

2. 「Mars」/ジェフ・ミルズ

『Jeff Mills & Orquestra Sinfónica do Porto Casa da Música ― Planets』
『Jeff Mills & Orquestra Sinfónica do Porto Casa da Música ― Planets』指揮:クリストフ・マング/演奏:ポルト・カーザ・ダ・ムジカ管弦楽団/Axis Records/¥3,800(CD+Blu-ray)。

3. 「Africa (Symphonic Poem)」/ウィリアム・グラント・スティル

『William Grant Still:Afro-American Symphony In Memoriam・Africa (Symphonic Poem)』
『William Grant Still:Afro-American Symphony In Memoriam・Africa (Symphonic Poem)』指揮:ジョン・ジーター/演奏:フォート・スミス交響楽団/NAXOS/輸入盤:オープンプライス(CD)。

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