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女優・石田ゆり子が選ぶ、疲れた心に響くクラシックギター3曲

星の数ほどあるクラシック曲は、聴き方も楽しみ方も人それぞれ。気持ちを落ち着かせてくれる曲から幽体離脱を促す曲まで?クラシック通27人が極めて個人的なテーマで選んだ3曲を一挙に公開します。

Photo: Megumi Seki / Text: Aiko Iijima, Konomi Sasaki, Saki Miyahara / Edit&Text: Emi Fukushima

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新しい扉を開いてくれた
ティボー・ガルシアの瑞々しい音色

最近聴くのはクラシックギターの曲ばかり。車の中でも家でも、とにかくずっと聴いています。中でも大好きなのが、映画『マチネの終わりに』でも共演した気鋭のフランス人ギタリスト、ティボー・ガルシアさん。

昨年6月に行われた日本でのコンサートで初めて生で演奏を聴いて、そのあまりの美しさに衝撃を受けました。まるで天から降ってくるかのようなキラキラした音で、吸い込まれるように聴き惚れてしまったんです。

石田ゆり子(女優)

以来、クラシックギターに夢中になりました。習おうと思ったきっかけも、背中を押してくれたのも、彼なんです。サインを入れていただいた2枚のCDアルバム『レイエンダ〜伝説のギター』『バッハに捧げる』は、聴きすぎて擦り切れるくらい(笑)。

特に夜、家に帰って聴くと、疲れがふわーっと抜けるような気がするのがこの3曲。1は、アストル・ピアソラというクラシックギター界ではレジェンドと呼ばれる人が作った曲で、ラテンの空気を纏った情熱的なメロディが、エネルギッシュに奏でられています。2はアレクサンドル・タンスマンのバッハへのオマージュで、3は私にとって馴染み深い名曲。純粋で優しい音色が心地いいです。瑞々しいティボーの演奏は、何回聴いても飽きません!

1. 「ブエノスアイレスの四季」/アストル・ピアソラ

『レイエンダ〜伝説のギター』
『レイエンダ〜伝説のギター』演奏:ティボー・ガルシア(クラシックギター)/数多くのコンクールを制覇して将来を嘱望されるガルシア、22歳の時のデビューアルバム。エラート/¥2,600(CD)。

2. 「インヴェンションズ(バッハへのオマージュ)」/アレクサンドル・タンスマン

『バッハに捧げる』
『バッハに捧げる』演奏:ティボー・ガルシア(クラシックギター)/ガルシアの2作目となったのは、生誕333年にちなんで制作された、バッハへのオマージュ作品集。エラート/¥2,800(UHQCD)。

3. 「コラール『目覚めよと呼ぶ声あり』〜カンタータ BWV140」/バッハ

『ギター界の新星「テデスコを弾く」BEST』
『ギター界の新星「テデスコを弾く」BEST』演奏:ティボー・ガルシア(クラシックギター)/映画『マチネの終わりに』で演奏したテデスコの楽曲も収録。ワーナークラシックス/¥1,500(配信)。

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