専門性の強い都内の
大学ミュージアムを巡る
日常ではなかなか触れることのない学問の扉を開けるのも大学ミュージアムの面白さの一つ。「数学は苦手」と言うエイドリアンとともに、〈東京理科大学 数学体験館〉へ向かう。ここは数学者で東京理科大学の栄誉教授でもある秋山仁先生が監修した展示が多数あり、数学の定理や公式や概念を五感で学ぶことができる体験型のミュージアム。
例えば、楕円のビリヤード台は、テーブルに印された黒い2点にボールを置けば、どの角度で打っても一方のボールにぶつけられる。
これは楕円の焦点の性質を利用したもの。そして正方形車輪の四輪車はカテナリー曲線と呼ばれる曲線で作った車道なら、車輪の中心の軌道が水平移動することになり、理論上揺れることがない。「ほんとだ!揺れない。数学は難しいイメージがあるけど、遊びの延長で学べて楽しいですね」とエイドリアンさん。
ここには、ほかにも工作機械と専門スタッフを有した〈数学工房〉が併設。そこでは研究者が考えた数学パズルや積み木、教具などのアイデアもすぐに形にできる。