『今日の英米演劇Ⅰ』
(テレンス・ラティガン「深い青い海」収載)
僕の頭の中でその芝居は既に上演されてしまっているみたいだ
僕は大学では、文学部の映画演劇科というところに属していたので、いちおう戯曲はそれなりに熱心に読んだ。当時白水社が新刊として出していた『今日の英米演劇』と『今日のフランス演劇』は貴重なシリーズだったが、今でも入手は可能なのだろうか?素敵な作品がたくさん収められていたんだけど。
中でも好きだったのは、英国の劇作家テレンス・ラティガンが書いた『深い青い海』だ(訳は小田島雄志)。「通俗的な商業演劇」として分類され、高踏文芸評論家には軽く見過ごされてしまいそうな作品だが、とてもうまく作られた芝居で、引きずり込まれて読んでしまった。
実際の芝居はまだ見たことがないのだが、どうやら僕の頭の中でその芝居は既に上演されてしまっているみたいだ。情景がひとつひとつ目に浮かんでくるから。
しかし今回のラインナップは白水社と晶文社の本が意外に多かったな。あくまでたまたまですが。
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