『Cool Hand Luke』
表紙の絵がベン・シャーンっぽくてクールだ
スチュアート・ローゼンバーグ監督の手で映画化されたが、映画のタイトルは『暴力脱獄』、内容とかなり雰囲気が違う邦題だ。でも映画の出来はすごくよかった。ポール・ニューマンの演技、素晴らしかった。
ドン・ピアースの書いた原作小説は翻訳されなかったと思う。僕は映画を観てずっと経ってから、この原作本を古本屋で見つけて買って読んだ。表紙の絵がベン・シャーンっぽくてクールだ。初版の発行は1965年となっている。
原作のタイトルは「クールハンド・ルーク」、クールハンドとはポーカーの用語で、カスみたいな手で涼しい顔で勝負をする人のこと。主人公のルーク・ジャクソンが得意とするテクニックだ。本心を顔には出さず、どんな逆境にあってもいつもクールな微笑を浮かべている。看守たち(体制側)に執拗に苛められながらも、脱獄を決して諦めないルークに、我々青年はやんやの喝采を送ったものだ。