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村上春樹の私的読書案内『木山捷平全詩集』

村上春樹が自宅書棚から選んだ、手放すことができない51冊の本。私的な読書案内文と共に。

photo: Keisuke Fukamizu / text: Haruki Murakami

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『木山捷平全詩集』

小説も面白いが、詩にも独特のとぼけた味わいがあって、好きだ。

この本は古書店で3,000円で買った。1987年刊行の初版本(函入り)で、定価は3,500円だから、とくに高価というわけでもなかったのだが、ほぼ同じものを文庫本で持っているしなあ……とさんざん迷った末に(ケチな性格なもので)思い切って買い求めた。

でも詩集って、やっぱりしっかりした単行本で持っていると、それなりにいいものですね。買って良かったと思う。レコードと本は「迷ったときは買う」というのが正解かもしれない。

僕は何を隠そう(べつに隠すこともないんだけど)木山捷平のファンで、けっこうたくさん著書を読んでいる。小説も面白いが、詩にも独特のとぼけた味わいがあって、好きだ。中に「メクラとチンバ」という詩があって、このタイトルは今では用語的に相当問題になりそうだけど、それはともかく素敵な内容の詩です。ここで紹介したいけど、スペースがない。

『木山捷平全詩集』木山捷平/著

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