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田村シェフ考案〈無印良品〉のレトルトでつくる「グリーンカレーのポテトサラダ」

今や世のカレーファンの常備食となりつつある〈無印良品〉のレトルトカレー。ラインナップは50種類以上。タイやインドなど現地へ足を運び、数年ごとの味の見直しも欠かさない。化学調味料や合成着色料、香料は一切不使用。どこまでも実直に、本気で作られている。だから食べればそのクオリティに驚き、常にストックしておきたくなるのだ。今回はそんな“MUJIカレー”の実力を深く知る人気シェフに、カレーを使ったアレンジレシピを提案してもらった。かの〈無印良品〉のカレーから新たな料理を誕生させるという大胆な企画。これもカレーにポテンシャルがあるからできること。プロが伝授する一手間で、いつもの家カレーがさらに面白くなる!

photo: Kayoko Aoki / text: Yoko Fujimori(menu)

田村シェフ考案!
レトルトを使ったアレンジ料理。

大塚駅から徒歩6分、連日満席の人気を誇るインド料理店〈カッチャル バッチャル〉。店主の田村修司さんは、自身の店のレトルトカレーを発売した経験も持ち、〈無印良品〉のレトルトシリーズの高い完成度を熟知している人物だ。

今回のアレンジ料理に挑むため、田村さんが選んだのは意外にもタイカレー。「日頃からこの味が好きだったので」というグリーンカレーで作り上げたのは、スパイシーなカレー風味のポテトサラダだ。単にソースとしてポテサラにかけるのでなく、ジャガイモをグリーンカレーで炊いてしまうという驚きの展開。「グリーンカレーでジャガイモを煮て味を移し、最後は水分を飛ばしてマッシュしていくイメージです」。

グリーンカレーが染み込んだポテトはそれだけでも十分おいしいが、さらにインド料理のプロならではの一手間を。それがカレー作りの基礎といえる“テンパリング”のテクニック。ホールスパイスを油で熱し、スパイスの香りを油に移す重要な作業だ。

油が冷たいうちにマスタードシードを入れ、泡立ってきたらコリアンダーシード、ターメリック、最後はレモンも一緒に揚げてしまう。「これを熱々のうちにポテトと合わせると、タイカレーの爽やかさに力強いインドの辛味と酸味が加わります。仕上げに生のバイマックル(コブミカンの葉)を刻んでトッピングすると、よりタイカレーの風味が鮮やかになりますよ」(田村さん)。

ココナッツミルクが甘く香り、鮮烈な辛さの後味をレモンの酸味が引き締める。まさにタイ・ミーツ・インド!ついつい後引く、魅惑のポテサラだ。

タイmeetsインド!
グリーンカレーのポテトサラダ

“テンパリング”の技で味に
スパイシーな一体感を。

〈無印良品〉グリーンカレー

[材料]

ジャガイモ … 小5個(約250g)

水 … 大さじ2

紫タマネギ … 1/4個(約50g)

半熟ゆで卵 … 2個

青唐辛子 … 2本

パクチー … 1株(5g)

サラダ油 … 大さじ1と1/2

ブラウンマスタードシード … 2g

コリアンダーシード … 2g

ターメリックパウダー … 1g

レモン … くし形切り(1/8個分)2切れ

バイマックル … 適宜(お好みで)

レトルトカレー:素材を生かしたカレー グリーン〈無印良品〉 … 1袋(180g)

[作り方]

(1):ジャガイモは皮をむき、1.5cm角のさいの目に刻む。

(2):鍋に(1)のジャガイモと〈無印良品〉のグリーンカレー、水を入れ、中火で10分ほどかき混ぜながら煮る。

(3):ジャガイモが軟らかくなり、鍋の汁気がなくなってきたらジャガイモを適度にマッシュ=潰しながら水分を飛ばし、ボウルに移してスライスした紫タマネギを和えておく。

(4):ホールスパイスを油で熱して香りを出す「テンパリング」の作業へ。フライパンにサラダ油を入れ、ブラウンマスタードシードを加え火にかけ、表面が泡立ってきたらコリアンダーシード、ターメリックパウダー、レモンの順に投入。焦がさないよう注意しながら揚げていき、香りが立ってきたらフライパンを火から下ろす。

(5):(4)が熱いうちににかけて全体が馴染むように混ぜる。

(6):(5)に細かく刻んだパクチーと青唐辛子、手で崩した半熟ゆで卵を加えてサックリ混ぜ、仕上げに千切りにしたバイマックルをトッピングして出来上がり!

[POINT

〈無印良品〉グリーンカレーのポテトサラダ
辛さは激辛レベルだが、イモの甘味と半熟ゆで卵がまろやかさをプラスする。カレーの具材のタケノコやフクロタケの食感も楽しい。少し時間を置くと味に一体感が増し、さらにおいしくなる!

無印良品のカレーが
できるまで。

グリーンカレーは無印良品でも古参のレトルトカレー。20年前に家庭でタイカレーを食べるなんて、ちょっとした衝撃だった。しかも、化学調味料不使用を早くも実現。2009年にはバターチキンがデビューするが、世の人が抱くレトルトカレーのイメージを変えたという意味でも、無印良品の功績は偉大なのだ。「現地に学ぶ」商品開発。そのすべてに、異常なまでの熱量を傾ける。それがこの会社の社風なのだろう。

タイでは屋台から郊外のローカルレストラン、市場や畑にも出向き、徹底的にリサーチをかける。驚くべきは日本から持ち込んだカレーを、現地の人に食べてもらうモニタリング。現地の人もおいしいと唸る味を目指す。こうしてグリーンカレーは改良された。ハーブ感を際立たせるため、ペーストを1.5倍に増量。レモングラス、スイートバジル、カフィアライムリーフをポイントにしつつ、爽やかさを演出するタイの黒ショウガ、クラチャイを新たに追加。またオリジンに近づいた。