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大使館勤務から転身。大崎広小路〈マシューコウズ・ バッファローカフェ〉フローレンス・マシューコさんが日本でお店を始めるまで

故郷から遠く離れた日本で、現地の味や文化を伝えるレストランを営む人たちがいる。ケニア出身のフローレンス・マシューコさんはどんなきっかけで日本に来て、〈マシューコウズ・ バッファローカフェ〉をオープンしようと思ったのか。そこには人と人との出会いがあり、さまざまな物語があった。

photo: Shin-ichi Yokoyama, Kaori Oouchi / text: Akiko Yoshikawa

大使館勤務から転身。厨房を切り盛りし、出来たてを振る舞う

ケニアのカンバ族出身で、日本のケニア大使館に25年、アンゴラ大使館に3年いました。でも、ケニアにいる母が半身麻痺になってしまって、大使館勤務だとすぐにケニアに帰れない。それにずっと大使館で働いていたから、好きなことをしたいと思って、2015年にケニアの文化を伝えられるカフェをオープンしました。

大崎広小路〈マシューコウズ・バッファローカフェ〉フローレンス・マシューコ
アフリカ布グッズも作るフローレンスさん。

初めはコーヒーと紅茶を出すだけだったけど、日本に住むケニア人から「ご飯も食べさせて」と言われて、一度ケニアに帰りました。母や親戚にカンバ族の料理を教えてもらって、調理師免許も取りました。今も店の料理は私が全部作ってます。

カンバ族は、食中毒にならないように食べる分だけ作る。だから、この店でも新鮮な食べ物を使って、すぐ作ってすぐ出してます。
日本に長くいるつもりじゃなかったんだけど、もう35年も日本にいます。大変なことはたくさんあったけど、もう忘れてしまった。でもケニアに興味を持つ人が増えたし、日本人と仲良くなれたし、やって良かったと思ってます。

マシューコウズ・バッファローカフェ(大崎広小路)

カンバ族の料理は野菜が多く、イモや豆を多く使う。トウモロコシなどの穀物を粉にして練った主食ウガリは要予約。

大崎広小路〈マシューコウズ・バッファローカフェ〉ニャマチョマ
肉料理のニャマチョマは2人前2,750円〜。タマネギやトマト入りピリ辛サラダ、カチュンバーリやチャパティなどと食べる。