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自ら針を落とせるお店も?リクエストが楽しい、日本全国リスニングバー&カフェ3選

何度も通いたくなる店は、選曲や音響の良さはもちろん、そこでしか得られない体験が待っている。半世紀続く老舗から、これからが楽しみなニューオープンまで。今日も音楽を響かせる。

photo: Jun Nakagawa, Yosuke Tanaka / text: Ryota Mukai, Yusuke Nakamura

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Mixing(京都/西院)

ゲスト自ら針を落とす。

「レコードをきっかけに交流の場になれば、と名前を〈Mixing〉に」と店主の村本和輝さん。店の奥にゲストが自由に扱えるターンテーブルが設置されたカフェバー。壁一面のレコードは中山美穂など懐かしの歌謡曲からソニー・クラークなどのジャズまで全部で300枚ほど。誰もが知る多彩な名盤が並びレコード初心者にはうってつけの入門店だ。

京都〈Mixing〉店内
まずはスタッフに声をかけ、聴いてみたいレコードを棚からセレクト。なんとなくのジャンルや希望を伝えてスタッフに相談することもできる。レコードは直接、自分でかけても問題ないが、ターンテーブルやミキサーの操作等がわからない場合は、スタッフへお願いすることも可能。自分のレコードを持ち込むこともできる。

RECORDBAR analog(東京/渋谷)

レコ屋さながらにディグる。

「盤を一枚一枚手に取って、未知の音楽に出会うってワクワクしますよね。そんな感覚をバーで楽しめたらいいなって」と店主の松鶴隆弘さん。ボックスの中からレコードをディグる様子はレコ屋さながらだ。「流れを踏まえて次の曲をかけることは難しくもあり、面白さでもあります」とも。リクエストした一曲がどんな順序で流れるかも聴きどころ。

東京〈RECORDBAR analog〉店内
店内中央には、LPが約1,500枚詰まったボックスが鎮座。洋・邦がそれぞれざっくりと年代順に並ぶ。カウンター奥にはリクエストが多い盤や新譜も。ショップのInstagram(@recordbar_analog)で目当ての一枚を決めているなら、店員に画面を見せてもいい。リクエストするレコードはスタッフへ手渡し。順番が来るまで気長に待とう。

道玄坂ロック(東京/渋谷)

20年書き継がれるリスト片手に。

小さな文字がびっしり埋め尽くす楽曲リスト。店主の井戸雄次さんが、お店を開く前から20年にわたり書き継いできたのだとか。ここでしか読めない超稀少本だ。「ジャンルレスにとは言っても僕の選盤では偏りが出ちゃう。その点、リクエストなら、自分が真っ先には選ばない曲が挙がって面白い。音楽を通してお客さんと会話している感覚が好きなんです」

東京〈道玄坂ロック〉店内
レコードとCDは約2万枚で、マイルス・デイヴィスからあいみょんまで幅広くカバー。約200ページに及ぶ極厚のリストにはアーティスト名、アルバム名、LPやCD、またはデータなどのソフト形式、そして主な楽曲タイトルが並ぶ。なお、店内に並ぶ盤に触るのは御法度。テーブルにある紙にリクエストを記入し井戸さんに手渡せばOK。

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