王道ジャズ喫茶からDJバー
ジャンルレスな音のるつぼ
音楽ライターの大石始さんは、吉祥寺に住んで十数年が経つ。「もともとは、学生時代を過ごした街。当時から小さいライブハウスやアクの強いBGMがかかるお店に、音楽ツウが集まっていて。そういう大人に憧れて、ハタチの僕はジャズバーに通っていました。
もてはやされる街になって久しいけど、音を軸とした空気は変わっていません。昔から続くジャズ喫茶や、アンダーグラウンドな小箱、知らない音がかかる新しい店もできる。どうも、飲みすぎてしまうのが悩みの種です」。この街に長く住む大石さんが考える、吉祥寺らしい音の鳴る6軒とは。
SILENCIO
「選曲は、ジャズを中心にアンビエント、インディーフォーク、ブラジル音楽まで。これまでの吉祥寺のジャズ喫茶とはひと味違ったムード。こういうお店ができるから、飽きない街なんです」。
2020年にオープンした音楽喫茶。コーヒーのほかにはクラフトジンも。
モア
「賑やかな吉祥寺の昼時。まぶしすぎるときはモアへ逃げ込みます。古き良きジャズ喫茶の佇まいは落ち着くし、ランチもおいしい。僕のお気に入りは、デミグラハンバーグのロコモコ風です」。
BGMは1950〜60年代の定番ジャズが中心。バータイムには酒類も充実。
bar Cheeky
「吉祥寺のDJカルチャーの中心は間違いなくここ。薄暗くて、アンダーグラウンドなムード全開だけど、店主・アビーくんの音へのこだわりは変態級。ディープな音楽を、抜群のサウンドで楽しめます」。
HPではド派手なオリジナルグッズも販売。
音吉!MEG
「1970年に創業した吉祥寺の名物ジャズ喫茶の名前を継いだカフェ&ライブハウス。アナログからCD、ハイレゾ音源にまで対応する、サウンドシステムは圧巻です」。
人気の西国分寺カレーを爆音のジャズと。
バロック
「私語厳禁のルールがある、昔ながらの名曲喫茶。大きなスピーカーに向かって設けられた座席は、徹底的にクラシックを味わうため。レコードのコンサートに来ているような気分に」。
2杯目以降のドリンク料金が割引される、長居に嬉しいサービスも。
World Kitchen BAOBAB
「飲んでいれば吉祥寺の情報が集まる街のハブ。旅人であり、店主の池端君がアフリカの民家から買い取った70年代のファンクなど、ここだけのレア盤は必聴」。
ジャマイカやブラジルなど、中南米を中心とした料理が名物。