キーワード

エチオピア

【蜜とは? そして、イカに飯とは?】渋谷で巡る辺境料理、ポルトガルからペルーへ。

「渋谷がいい。渋谷以外では食いたくない!」
 私がごねるので今回は渋谷で2軒、世界一周メシである。渋谷の文化村シアターコクーンで、かつて故中村勘三郎さん(当時勘九郎さん)に書き下ろした芝居の再演を一か月近くやっており、それが3時間を超える芝居で、いきなり「江古田にいきましょう」などと言われても身動きがとれないのだ。
「渋谷にも辺境料理はあります。どれほどでもあります」
 社長はいつだって頼もしい。

【おっさんに餌づけされ、ラブホ街を彷徨って】赤坂のエチオピアと円山町のジャマイカ。

 赤坂で道に迷い、また担当Kに迎えに来てもらった。
 超絶方向音痴の私にとって、初めての店に一人で行くこと、それがそもそも旅である。
 赤坂のオフィス街にエチオピア料理の店「サファリ」はあった。最初に踏み込んだ印象は一言、あやしい、である。まあ、たいがいのエスニック料理の店は多かれ少なかれあやしいのだが、特に「サファリ」には、なんともいえないやさぐれ感があった。それには、ラスタ帽を被ったいかりや長

一枚の写真に込める辺境の“友”への想い。|ヨシダナギ

 写真家と呼ばれるようになっても、いわゆる風景写真というものに一切興味を持てずにいた。が、星野道夫の写真を見て、変わった。それは、伝統的なクジラ漁を行う極北の海の民が暮らす村の写真だった。浜辺には巨大なクジラの骨がオブジェのように突き立っている。それは命をくれた生物に対する感謝を込めた墓標。その写真にはコンビニで投げ売られる絶景写真が持たない何かがあった。それは「想い」なのだと思うに至った。その地

Island Sandals

 マウイでも最も観光客が集まるラハイナのマーケットの裏にひっそりと佇む小さな店舗。所狭しと道具や素材が詰め込まれたカウンターの奥を守る、強烈な個性を放つ“名物店主”はこの町で30年近くオールハンドメイドのレザーサンダルを作り続ける〈アイランド・サンダルズ〉オーナー、マイケル・マーネンスミス。見るからに狷介なクラフツマンといった風情の彼が饒舌に語るのはやはり、徹底したものづくりへのこだわり。完全オー

もののプロファイルでなく、バイブスを受け取りたい。|中村ヒロキ

「この道の一大事は、和漢この境をまぎらかす(日本と中国のものの境目を曖昧にする=混ぜる)こと」。室町期に「侘び茶」を創始した茶の湯の開祖・村田珠光の言葉を現代にまで繋げてみるとすれば、中村ヒロキさんのセンスこそはその「最前衛」といえる。伝統的な日本家屋の自宅にしつらえられるのは、安土桃山時代の器からフランスの古布、アーミッシュのキルト、エチオピアのハットまで……、「和漢」どころか日本と世界中を、し

LAUGHING MAN COFFEE AND TEA

 おいしいフラットホワイトが飲める、との評判がさっと広まり、オープン以来またたく間に人気となったコーヒー屋、〈ラーフィング・マン〉。トライベッカの片隅にこっそり佇む、客が5、6人も入ればいっぱいの小さな店だ。
 フラットホワイトは、オーストラリアやニュージーランドで愛飲されるコーヒードリンク。ラテに似ているが、ミルクを丁寧にスチームしているので、泡のキメが細かい。クリームのように滑らかなミルクをエ

アジア〜欧州〜南米〜アフリカ。まだまだ続く世界の辛旨い料理。

唐辛子スパイスの強烈な辛味が効いた鶏シチュー。

オーナーシェフの生まれ故郷エチオピアのごちそうがコレ。大量のタマネギを、バレバレと呼ばれる唐辛子ベースのミックススパイスと、半日以上ひたすら煮込んで作る鶏のシチューだ。さすがはアフリカ有数の唐辛子大国、シェフが本国から取り寄せているというこのバレバレが、脳を直撃するような辛さ。が、タマネギと鶏肉がそれに負けない甘味とコクを放っていて、後を引く。