アメリカ(ハワイ):マラサダ
香ばしさと食感が格別な、
ハワイの老舗の味を再現
発酵生地で作るポルトガル発祥の揚げ菓子、マラサダ。これをハワイに広め、ロコフードとして定着させた老舗ベーカリーのレシピを、生地作りから忠実に再現。丸めて、二次発酵させた生地を、油の中で浮かないように重しをして揚げるのが特徴で、そこから生まれる香ばしさとふんわり、もっちりの食感が人気のゆえん。グラニュー糖をまぶしたシュガー180円が定番。カスタード入り240円なども。
ルーマニア:パパナッシュ
チーズ入りの生地で作る、
揚げが命の伝統デザート
フレッシュチーズを混ぜた生地を揚げ、サワークリームとジャムをかけた伝統のデザート。店主のミハイさんが、時にチーズから手作りする生地は、非常に軟らか。これを巧みにリング状にし、崩れないよう、破裂しないよう、つきっきりで15分ほどかけて揚げる。この揚げが難しく、おいしさの要。仕上げにサワークリームとブルーベリージャムをかけた生地は、想像以上にもっちもちだ。600円。
インド:グラブ ジャムン、ブンディ ラッドゥ
古代ペルシャから伝わった、
シロップ漬けの一口菓子
グラブ ジャムンは、古代ペルシャのシロップ漬け揚げ菓子に起源を持つ一口菓子。牛乳を煮詰めたものに小麦粉、重曹などを合わせたカルダモン風味の生地を揚げ、シロップ漬けにしたインドのサバラン的味わい。ブンディ ラッドゥは、ヒヨコ豆の粉で作った生地を、穴杓子で油に落とし、シロップで団子状に丸めた祝い菓子。こちらでは菓子職人が本場より甘さ控えめに仕上げている。各220円。
ポーランド:ポンチキ
リッチでふわふわな生地に
バラが香る国民的おやつ
「もともとはお肉を包んでいたという説もある」(店主の坂元萌衣子さん)古くから続く国民的おやつ。卵や牛乳、バター、洋酒などが入るリッチな生地を発酵させて揚げ、中にバラジャムを詰めたものが定番。現地で見聞きしたレシピを基に作っているという坂元さんの生地は、卵が多めできめの細かいふんわり、しっとりした生地。砂糖衣をかけ自家製のバラジャムを詰めたもの320円など、3〜5種。
ドイツ:クラプフェン、ベルリナー
発酵させたベルリナーと、
発酵させないクラプフェン
シューに近い生地を揚げた、発酵させないタイプのクラプフェン。店主がパン職人を志す契機となった、デュッセルドルフのベーカリー〈HINKEL〉のレシピを再現。溶かしバターに小麦粉や卵、ラムレーズンなどを合わせた生地を、ディッシャーで油に落とし、低温で転がしながらじっくり揚げる。ゴツゴツの見た目を裏切るシュワッと軽い食感に驚く。カソナード、シナモンの2種で各270円。
地域によってプファンクーヘン、クラプフェンとも呼ばれる、揚げた発酵生地にジャムやクリームを詰めた定番おやつ。18世紀、ベルリンの菓子職人が、戦地で砲丸のように生地を丸めて揚げたのが始まりとされる伝統菓子。こちらでは卵やバター、生クリームなどが入ったリッチな生地を発酵させて揚げていて、溶けるかのようにふわふわ。ミルククリームとフランボワーズジャムの2種で各297円。
アルゼンチン:ミルクジャムのチュロス
スペイン:出来立てチュロ
ギザギザの塩味揚げ菓子は、
チョコやミルクジャムと
スペインから南米に伝わったチュロスは、アルゼンチンのおやつに欠かせないミルクジャム「ドゥルセ・デ・レチェ」と出会って、ラテンアメリカ諸国に定着。現地では、円筒状のチュロスに詰めたり、つけて楽しむが、この店では、一口サイズにして揚げ、本場の濃厚なミルクジャムを詰めている。細長いチュロスと同じ生地なのに、形が異なると食感がよりもちっと変化するのも面白い。3個330円。
粉と熱湯で作る生地を、破裂しないように星形に絞り出して揚げる古くから続くおやつで、甘味のない生地に濃厚なホットチョコレートをつけて楽しむのが現地流。本国で製法を学んだ店主は、風味がいい小麦粉と水、塩で生地を作り、専用のマシンで細長く絞り出し、米油で揚げる。揚げたてのサクサク、もっちりとした食感が醍醐味。ディップ用の自家製ホットチョコレート400円をつけて。1本200円。
アメリカ(ニューオーリンズ):ベニエ
あまりの軽やかさに驚く、
フランスから来たドーナツ。
フランス文化が色濃く残る地ニューオーリンズで根づいた四角いドーナツ。最も有名な、1862年創業の老舗〈Cafe Du Monde〉のベニエに触発され、独自にレシピを考案。卵や豆乳が入った発酵生地を四角く成形し、米油で静かに揚げたベニエは、中にきれいな空洞ができていて、驚くほどの軽さ。3ピースもあっという間。粉糖をたっぷり振ったプレーン3ピース400円のほか、季節替わりで5種。