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奇奇怪怪の百貨戯典:音楽業界に嵐を巻き起こすミシュラン論

Podcast番組「奇奇怪怪」のMONO NO AWARE・玉置周啓とDos Monos・TaiTanが、予算100円以内で売られている中古書を今この時代に読み返す連載の第26回。前回の「世界を変えたイーロンと「優しさ」論」を読む。

text & edit: Daiki Yamamoto

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TaiTan

ミシュランっていうのはタイヤメーカーなんだよ。じゃあ、なぜタイヤ屋さんが星を付けてレストランガイドをやっているのか。周啓くんは知ってるかな?

これは至ってシンプルな理由で、世界中の旨いレストランを紹介すれば人々は移動をするようになって、そうすればタイヤが売れる、と。

しかしカンヌ国際映画祭やアカデミー賞みたいに一定の公平性を保つ委員会方式とは違って、一企業の旨いものランキングがここまで権威を持っているというのはほかに例がないんじゃないか。

周啓

たしかにね。星の評価基準も「そのために旅行する価値がある」「遠回りしてでも訪れる価値がある」「近くに訪れたら行く価値がある」みたいに移動を基準としているんだよね。普通のガイドブックに載っているような最寄り駅の情報はない。いちいち車移動を起点にしているんだなっていうのがわかりますね。

TaiTan

しかしこれ、誰が買ってるのかわからないのに毎年発行されてるんだな。「プロ野球選手名鑑」もそうだけど。こういう文化は残っていってほしいね……音楽版でも誰かやらないかな?

周啓

音楽版ミシュランか。「今ライブを観るべきバンドはこれ」みたいな?

TaiTan

飲料メーカーがめちゃくちゃ偉そうに星取りをやってさ。それでフィーチャーされたバンドは先に協賛を組んでおいて、ライブ会場でその飲料だけ売るみたいな。

周啓

グッドアイデア。

TaiTan

MIZ(*玉置周啓と加藤成順によるアコースティックユニット)は、星3つです。

周啓

ありがてえ。

TaiTan

ってことで、今回も新しいビジネスチャンスを見つけました。周啓くん、企画書まとめておいてくれ。

周啓

ミュージシャン全員から嫌われそうだな。

ミシュランガイド
発行:日本ミシュランタイヤ『ミシュランガイド東京』

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