TaiTan
今、手元にあるのが2004年に発行された『POPEYE』です。
周啓
文体が今と全然違うね。「潜入」とか「飛び込んでみた」とか、今の『POPEYE』は書かなそう。
TaiTan
この時代の『POPEYE』の編集方針が気になるな。
周啓
全体的にテンションが高いよね。「この時代の男たるもの、サウナは革ジャン着て入るべし」みたいなことが書いてあるし。
TaiTan
この時代ってフジテレビが圧倒的にノリをリードしていた時代じゃん?だから『POPEYE』のノリもフジテレビ化していた時代なんじゃね。
周啓
さっきの「!」が多い文体も『めちゃイケ』のテロップっぽいんだよな。
TaiTan
フジテレビ経済圏の余波が『POPEYE』にも来てた、と。そうなると、次に支配的な力を持つ文化の発信元ってどこだろう?
周啓
俺はNHKだと思う。予算と調査力が豊富にあるから、そこから次の時代をリードするプレーヤーが出てくる気がする。
TaiTan
NHKが得意とする「教養」も時代に合ってるしね。藤本タツキが時代の寵児(ちょうじ)になったように、今の文化の中心にいるプレーヤーは自身の哲学や知識を投影した作品を作っている。そう考えると、今後の文化の中心は"教養"と接続したものになるんじゃないか?
周啓
エンタメが多様化しているからこそ、軸になるような教養が求められているよね。80年代に流行った知識人の対談みたいなものが、次の「クール」になるんじゃない?
TaiTan
知識と教養で殴り合う、知のブレイキングダウンね。
周啓
『真剣10代しゃべり場』じゃん。
TaiTan
確かに、そう考えると次の中心はNHKだな。……この話おもれー。おもろすぎて死ぬかもしれないな。