Cook

村上小説の妄想食卓「ウイスキーはカティーサーク」

きりりと角の立ったサンドイッチ、ぴったりのタイミングでゆで上がるパスタ、グラスに注がれるウイスキー……。そそる「食」のシーンもまた、村上作品の魅力だ。印象に残る名シーンをぎゅっと詰め込んだ食卓はどんな風景になるのだろう。時代背景や前後の文脈をじっくりと読み込んで具現化した「妄想食卓」へようこそ。

Photo: Satoshi Nagare / Styling: Tomomi Nagayama / Cooking: Shizue Ota / Text: Sawako Akune / Edit: Masae Wako

『ねじまき鳥クロニクル』第1部

僕はその隣の席に座ってスコッチのオンザロックを注文した。スコッチは何がよろしいでしょうかとバーテンダーが尋ね、カティーサークと僕は言った。
銘柄なんてべつになんだってよかったのだが、最初にカティーサークという名前が頭に浮かんだ。

カティーサーク

「ウイスキーはカティーサーク」

蒸留所を巡ったエッセイ『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』も著し、ウイスキー好きとしても知られる村上春樹。小説内にもウイスキーはしばしば登場する。なかでも世界的に飲まれるブレンデッドのスコッチウイスキー「カティーサーク」は、本作や『1Q84』『ダンス・ダンス・ダンス』などにも登場。このシーンなら、迷わずずっしりとしたロックグラスで。